インタビュー

就活ミスマッチを体感した男が指摘するその元凶

投稿日:2015年8月10日 / by

私が「就活」と決別したワケ

アドヴァンテージ
小堀慎平氏

小堀慎平

学生が就職する一般ルートは、メガ就活媒体から書類選考→面接→内定だ。このルートを経由すれば、履歴書スペックが高いほど有利となる。現在、社会人として活躍する小堀慎平氏は、まさに高スペックな経歴の持ち主。一般ルートで当然のように順調に内定を勝ち取った。だが、現在の会社へは、最終的にちょっと異色なルートで就職を決めた。なぜ、小堀氏は、いわゆる就活の王道を蹴り、別のルート選択したのか。そこからは従来の就活が抱える問題点が色濃く透けてみえてくる…。

履歴書スペック特Aランクはどれだけ有利か

人気ドラマにも出演していた役者時代

人気ドラマにも出演していた役者時代

帰国子女、TOEIC950点、ジュノンボーイファイナリスト、元役者、有名私大卒…就活生の履歴書スペックとしては、特Aランクといえる小堀氏のキャリア。タレント業の兼ね合いで就活は出遅れたが、それでも内定をもらうのに苦労することはなかった。だが、就活という体験は、同氏にとって違和感を禁じ得ない、気持ちの悪いものでしかなかった。

「面接に行くと、元役者で英語ペラペラのすごい人が来た、と迎えられるんです。私も、TOEICは、就活の指標として武器になると思って受けたので、悪くはないんですが、目の前にいる私よりも経歴ばかりに踊っている気がして、とても気持ちが悪かったんです」と小堀氏は就活当時を振り返る。

本来なら、それでも求職者にとっては万々歳の展開だ。だが、小堀氏にとって、人をきちんと見ずして、採用してもいい仕事ができるわけがないという不信感の方が大きかった。なぜ、大卒間もない小堀氏にそんな感情が湧き起こり、そこまで不信感を抱いたのか。それには、就活直前に小堀氏を襲ったある出来事が、影響している。

面接に不審を抱いたある体験

バンド活動を目指していたころ

就活直前の仲間との行き違いも“面接不信”を強めることに

役者と並行し、学生時代、バンド活動も始めていた小堀氏。信頼できる仲間との活動だったが、個々が仕事を抱えながらという状況もあり、なかなか時間を確保できない日々が続く。そんな中、大学も卒業。人一倍責任感の強い小堀氏は、バンド活動のため、それを優先できる職に就き、なんとかライブのための準備時間をねん出。最低限の形にまで持っていった。だが、結局仲間の準備は間に合わず、小堀氏はたった一人でライブを敢行。以降は、徐々にメンバーの気持ちが離れがちになり、結局、バンドは空中分解してしまう。

「中止する選択肢はもちろんありました。でも、私がどれだけ本気かを証明する意味でも、そして関係者への迷惑も考え、実行するには状況は惨憺たるものでしたが、あえて一人で決行しました。本当に信頼できる仲間だったのですが、それでも残念な結果になりました。ですから、全然知らない人間をきちんと見もしないで経歴だけを参考に進められる面接で一体何が分かるのか、ととても不信感が湧きましたね」と小堀氏は、当時を振り返りつつ、現状の就活における問題点をズバリ指摘した。

モヤモヤを晴らす、規格外採用との出会い

面接に覚える大きな違和感。それでも、高スペックゆえに内定はもらえる。贅沢な悩みといえばそれまでだが、小堀氏の感覚は決してずれているとはいえない。そんな中、ある出会いが、小堀氏のモヤモヤした就活にピリオドを打つことになる。偶然見つけた、従来の面接になじめない人が集まる「アウトロー採用」という就活だ。まさに当時の心境にピタリとシンクロした採用イベントに参加したことで、小堀氏の中に強烈な思いがあふれ出る。

「従来の就活に違和感のある、いわばアウトローの集まりだったのですが、みなさん経歴もすごいし、とても能力が高い。縁があってどこかに就職すれば確実に活躍できそうなのに、いわゆる就活のルートになじめないという理由だけで、活躍の場を失っている。これはおかしい、と思うと当時に、こういう人が活躍できる就活というものを実現できないか、とその時思ったのです」と小堀氏は熱く語る。

面接不信男が入る会社を決めた理由とは

奇しくも、このアウトロー採用で、似たような考えを持っていた社長と出会い、入社を決める。それが、、中野尚範氏。現在、小堀氏が勤務するアドヴァンテージの代表だ。そのプロセスには、従来の面接はなかった。何度か、時に酒を酌み交わしながら、ざっくばらんに話す機会を持ち、互いの意識や思いを摺合せ、意気投合した上での決断だった。

何を隠そうベツルートの社員も別ルート入社

それぞれ別ルート入社の同僚とは、強い絆で結ばれている

「本当に自然体で社長と話せました。その中で社長から本気で就活を変える思いや信念が伝わってきたんです。私の経歴についてもほとんど興味を示さず、しっかりと私という人間を見てくれていました。だから、一緒に仕事をしたいと思い、入社の意思を伝えさせていただきました」(小堀氏)。

入社後は、必然のように同社にとっての新規事業となる新しい就活「ベツルート」を任された小堀氏。就活での気持ちの悪い感覚を糧に、いまでは根っからの正義感、責任感の強さで、同僚と力を合わせ、大奮闘中だ。

野望は新しい就活の確立

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面接不信から今では理想的な就活の末に全力で業務に取り組んでいる

「メガ就活媒体を否定するつもりはありません。しかし、それだけで本当に適正な就活が実現するとは思えません。そういうことにうまく合わせることができる人もいるでしょうが、結局は無理をしている。その先に互いのハッピーがあるとは思えません。ですから、我々がそれ以外の選択肢として、新しい就活の道をつくっていきます。どれだけの人が求めているかは分かりませんが、少なくともいま私が、ここで何の迷いもなく会社のために全力で働いているという事実は、『ベツルート』の意義を証明する確かなエビデンスといえると思います」と小堀氏は目を輝かせる。

昨今は、東大卒のハイスペック人材がベンチャーへ就職するケースが増えるなど、従来の就活の方程式が崩れつつある。根底には、効率・スペック重視の“事務的選別”がある。学歴や経歴という一定の指標は、確かに効率的な選別を可能にする。だが、一方で、百人百様のパーソナリティをおろそかにしてしまうリスクもはらむ。この“欠陥”は、誰かがどこかで修正する必要がある。まさに、そんなやりきれない思いを抱いた小堀氏がいま、当事者として「ベツルート」に携わるプロセスは、まさに理想の就活のカタチであり、それを具現化する「ベツルート」は、新たな就活のカタチとして、今後大いに期待できそうだ。


adv【会社概要】
商 号:株式会社アドヴァンテージ
資本金:3,000万円
役 員:代表取締役社長 中野 尚範
取締役:真弓 幸久
取締役:井草 康之
取締役:服部 匡志
非常勤取締役:安田 佳生(元ワイキューブ社長)
顧問(ベツルート編集長):若新 雄純
本社 〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-19 アプリ新横浜ビル6F

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