インタビュー

ジャパネットたかた社長の引退の行方は…

投稿日:2013年10月18日 / by

ジャパネットたかた

情熱をほとばしらせ経営を語った高田社長

(株)ジャパネットたかたの高田明社長が、2013年10月11日、不退転の覚悟で経営改善に臨む2013年の状況を激白。今期の増収が300億円に達する見通しを明かし「行動に移せばほとんどの夢は叶う」と目標達成へ自信をみせた。

この日、都内でJADMAの「設立30周年記念講演会」に登壇した高田社長は、最初に「2期連続大幅な減収減益の私がこのような場で話していいものか」と恐縮したが、口を開けば、言葉の端々に自信がみなぎっていた。

「2期連続の減収減益で、売り上げは最高益の2010年から600億弱吹っ飛んだ。普通なら倒産かもしれません。しかし、よく考えれば減ったのはテレビだけ。原因がハッキリしているのだから代わるものを売ればいい。そういう発想にすると人間は、山を越えられるんです」と高田社長は、独特の甲高い声で力強く語った。

今年1月、今期の利益がこれまでの同社の最高益136億を超えられなければ「社長引退」を公言した高田社長。悲壮な覚悟で臨んだ2013年は、ここまでは快調にきている。7月には昨年の利益を超え、9月には100億を突破。今期の300億の増収はもちろん、“引退ライン”突破も現実味を帯びてきている。

その要因について高田社長は、次のように分析する。「私の力だけでは達成できない。引退を掲げ休みを返上し、自分が先頭を切ったことで社員が結集し、ここまでこれた。最後まで全員の力を出し切ることが出来ればかなう。達成できなくともここまでのみんなの頑張りは今後にしっかりといきる」。不退転の覚悟を示したリーダーに、社員の思いが結集したことが、ここまでの快走の原動力となった。

窮地にも守らず、攻めに出たことも勢いを加速した。減収減益が続く中で同社は今年、都内にスタジオを開設。タイミング的には不相応ともいえる高額の投資を行った。「私にとって過去は過去。目標を達成するためにどんどん前へ出る。お客様の期待に応えるだけにとどまらず、期待を超えることをしなければならない」と一歩も引くことなく、前へ出たことで市場へもメッセージが確実に伝わった。

とにかくポジティブ。テレビショッピングの画面からもひしひしと伝わる前向きさで、窮地にも悲壮感はない高田社長がとった戦略は、「原点回帰」だ。長崎のカメラ店から、メディアを活用して市場を作り上げたあの精神に立ち返り、今年はテレビに代わる商品販売で新たな市場開拓に全力を注ぐ。

東京オフィスを中心に仕掛けた布団専用のダニクリーナーは、上半期で10万台を超えるをヒットを記録。今も注文から一ヶ月以上待たなければ手に入らない状況となっている。高い節水効果のアースシャワーにも火をつけた。酒や米、食品の取り扱いも開始した。「テレビだけが悪い」状況打破に高田社長は、受身でなく、能動的に動き、次々に新しい市場を開拓した。

11月には65歳となる高田社長。一般的には高齢者と呼ばれる年齢への仲間入りとなるが、老け込む様子は微塵もない。「年をとらない方法があるのをご存知ですか? それは情熱を持ち続けること。年齢は関係ありません」。1時間の持ち時間の間中、全身からあふれ続けた情熱からは、2014年も社長に君臨する姿しか浮かんでこなかった。

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