働き方

医療事務の資格ってどんなの?

投稿日:2014年5月13日 / by

医療事務は女性に人気の仕事

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女性特有のライフスタイルに合わせやすく、長く働ける医療事務。結婚・出産後も続けられるため、仕事と家庭を両立したい人にぴったりの職業です。

医療事務は、患者対応から医師・看護師のサポートまで、医療現場の様々なニーズに応える仕事だ。病院の受付で、受付や会計業務をこなしているイメージが強いが、実はもっと幅広い仕事をこなすのが医療事務であり、患者とコミュニケーションを取るためのスキルも必要とされる。以下では、やりがいのある仕事である医療事務について、業務内容や人気の秘密などを紹介していく。

医療事務の仕事内容とは?

医療事務の仕事は、大きく分けて6つある。

受付業務

来院した患者がまず初めに訪れる受付では、保険証の確認やカルテに反映される患者の基本情報、病状などを収集し、登録する。

外科クラーク

複数の診療科を持つ大規模な病院では、診療科ごとの受付を行っている。そこで電話対応から、保険証や診察券の確認、カルテの準備などを行う。医師と患者の橋渡し役を担う役割と言える。

会計業務

患者の診療費を計算し、会計を行う業務のこと。医療機関での会計業務は、点数を使った特殊な方法が用いられており、医療事務は、診療内容が記載されたカルテを元に負担分の計算を行う。

入退院受付業務

患者の予定と合わせ、入院手続きを進める。入院日の調整、書類手続き、入院についての説明などを行う。

病棟クラーク

入院病棟のナースステーションに常駐し、様々な事務作業を行う。医師や看護師と協力し、入院カルテの作成やデータ管理、入院台帳や患者カードの整理を行うなど、仕事は多岐に渡る。

レセプト作成

レセプトとは、診療報酬明細書のこと。医療費の1部は患者が負担し、残りは病院側が保険者へ請求することになっている。この時に提出する資料がレセプトで、医療事務のスキルを活かし、正確に作成しなければいけない。

医療事務の資格は取った方がいいの?

実は、医療事務の仕事をするうえで、免許は必要ない。医師や看護師とは違い、国家資格が必要な業務ではないのだ。

では、なぜ医療事務の民間資格が存在するのか?それは、医療事務の仕事は専門性が高いために、業務に就く前にある程度の知識を得ておかなければ厳しいと言うのが現状だから。実際に医療事務の求人でも、応募資格として医療事務資格取得者、あるいは実務経験者が挙げられる場合が多いため、そのどちらにも当てはまらない人が医療事務の仕事に就くことは難しいと言える。とくに実務経験がない人が医療事務の仕事をしたいのなら、資格を取っておいたほうがいいだろう。

医療事務は女性に向いている資格のひとつ

医療事務は、年齢に関係なく長く働くことができる。転職の際に優遇されるのは、年齢ではなく実務経験であるため、出産や育児などでブランクが空いたとしても再就職しやすい仕事と言える。

専門知識を活かせるため、結婚や出産などのブランクがあっても経験を活かして再就職でき、女性に人気です。また、高齢化社会の到来に伴い、医療事務は今後ますます需要が増えるだろうと予想され、正社員、派遣スタッフ、パートなど幅広い雇用形態で求人があります。子育てをしながらや、年齢を重ねてからでも働くことができ、生活に合わせて働き方を選べる仕事です。

1度実務経験を身に付けてしまえば、全国各地どこの医療機関でも転職が有利になるため、夫の転勤にも比較的柔軟に対応することができる。結婚しても働き続けたい女性には、ぴったりの仕事なのだ。

医療事務のメリットは年収よりも働きやすさ

雇用形態によって年収は異なってくるが、転職サイトDODAに掲載された「平均年収/生涯賃金データ2013」の医療事務の年収データによると、平均年収は284万円となっている。年収の分布図も公開されており、300万円未満が66%、300~400万円未満が26%、400~500万円未満が5%、500~600万円未満が2%、600~700万円未満が1%となっている。

他にも、年代別のデータも発表されている。それによると20代の平均年収は263万円、30代は297万円、40代は411万円となっている。年代ごとに年収は増加していくものの、大きな振れ幅はないという結果だ。

医療事務は人気の職業ではあるが、事務系の中でも特別年収が高いわけではない。そのため年収面というよりも、やはり女性が働きやすい仕事として人気が出たのだろう。

医療事務は活躍の場が多い仕事

一般的に医療事務と言えば、病院、大学病院、診療所、専門医院などで働く印象があるが、そのほかにも介護、リハビリ施設、歯科医院、調剤薬局、医療事務代行会社など、様々な活躍の場がある。

ひとえに医療事務と言っても、各職場において行う業務は異なり、小さな診療所であれば受付から診療後の会計までを医療事務が行うことも多い。逆に総合病院では医療事務の分業化が進んでおり、各業務における高いスキルが必要とされる。

また歯科医院では、受付やレセプト作成などの業務も行いつつ、歯科助手としての仕事を任されることもある。歯科助手は資格が必須の仕事ではないため、医療事務が一括でこの役割を務めることももちろん可能なのだ。

調剤薬局では、受付やレセプト作成の他にも、お薬手帳の記帳や、処方薬を確認して患者に渡すなどの業務も行う。

このように、医療事務が活躍する場は幅広く用意されているため、自分の得意分野に適した場所で働くことができる。医療事務を希望している人は、あらかじめ多くの選択肢があるということを知っておくと就職や転職が有利に働くだろう。

医療事務に求められるスキルは高くなる

医療費と、診療所の数は増加し続けている。

東京都福祉保健局が発表した「東京都の医療施設」のデータによれば、平成24年の医療施設(病院、一般診療所、歯科診療所の合計)は23,972施設。前年と比べ147施設の増加となった。

この中で、病院数は前年からマイナス2施設と減少し、逆に一般診療所は前年に比べ99施設増加した。病院と診療所の違いは、病院はベット数が20以上の医療機関のことを、診療所は入院施設がない、あるいはベット数が19床以下の医療施設のことを指す。

つまり、全体的に見れば医療機関は増加しているため、引き続き医療事務の活躍の場も広がっていくと思われる。

しかし同時に、医療事務の電子化が進んでいるため、入力や計算などの事務業務がコンピューターに取って変わられるようになっている。一概に医療事務の仕事量が減少していくとは言えないが、医療事務は今後、コンピューターでは対応できないサービス面での質の追求や、コンピューターを扱いこなすスキルを身に付けなければいけない。

医療事務のコンピューター化は、どちらかというと人員削減を進める目的ではなく、医療の質の向上を目指すものであるため、医療事務に求められるスキルは高くなっていくだろう。

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