働き方

建設業経理士は建設の会計処理を担う専門家

投稿日:2016年1月6日 / by

「建設業経理士」は建設業界の屋台骨を支える資格

建設経理士とは建設会社の経営を支える会計処理の専門家である。建設業における経理・原価計算の知識や、経営の改善の能力を認定するものであるため、建設業界に就職・転職を希望している人には強い味方となってくれる資格だ。

工事予算の管理や建設業独自の書類作成方法など、習得する知識や技能は同じ会計の資格である簿記検定とは若干異なっているものの、試験範囲の大半が似通っているため簿記の資格取得者が目指しやすいというメリットも存在する。一般の会計士や、行政書士の人が建設業と関わりのある業務をしやすくする目的で取得を目指すことも少なくない。

建設業経理士の試験は4級から1級まで存在する。なかでも1級と2級合格者は、公共工事の入札が可能な会社かを判断する経営事項審査をする際の評価対象の一つとなっている。建設業界の企業で経理の専門家として働く場合は、1級か2級の取得を狙うのがおすすめだ。

さっそく勉強を始めるには

具体的な受験の方法に関しては、就職の大原(http://www.o-hara.ac.jp/best/kensetu/)の実例を参考にしている。より詳しい情報を知りたい人、今すぐ勉強を始めたい人はこちらへ。

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建設業経理士講座 <資格の大原>

建設業経理士は、建設業者における会計及び処理能力の向上と、経営の改善に資することを目的とした資格です。 大原では、永年の信頼と実績により作成されたオリジナル教材を土台にし、無理なく合格を目指せる豊富な受講スタイルと多数のコースを多数取り揃えています

なお、ここでは資格の大原のホームページを参考にし、より具体的な情報を掲載する。

建設業経理士の試験とは

1級
建設業原価計算、財務諸表論及び財務分析
上級の建設業簿記、建設業原価計算及び会計学を修得し、会社法その他会計に関する法規を理解しており、建設業の財務諸表の作成及びそれに基づく経営分析が行えること。

2級
建設業の簿記・原価計算及び会社会計
実践的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算を修得し、決算等に関する実務を行えること。

3級
建設業の簿記・原価計算
基礎的な建設業簿記の原理及び記帳並びに初歩的な建設業原価計算を理解しており、決算等に関する初歩的な実務を行えること。

4級
簿記のしくみ
初歩的な建設業簿記を理解していること。

建設業経理士の試験には受験資格が存在せず、誰でも希望の級を受験することができる。合格判定は正答率70%を標準とするが、1級の試験のみ試験科目である原価計算、財務諸表、財務分析の3科目すべて合格基準に達しなければならない。たとえ不合格の場合でも、合格基準に達していた試験科目は5年間の有効期限が設けられているため、1度の試験で合格できなくても諦める必要はない。

また1級については1科目受験のほか、2科目、3科目の同日受験が可能となっている。他の級についても、2級と3級あるいは3級と4級を組み合わせて同日受験が可能だ。試験合格の自信があれば同時取得を狙ってみてもいいだろう。

試験形式(平成26年度)

上期試験(9月検定) 下期試験(3月試験)
実施級 1級・2級 1級~4級
申込期間 5月上旬~下旬 11月上旬~下旬
試験日 9月中旬 3月中旬
合格発表 11月上旬 5月上旬

受験料(消費税込)

級別 受験料
1級(1科目) 7,410円
1級(2科目同日受験) 10,600円
1級(3科目同日受験) 13,680円
2級 6,280円
3級 5,250円
4級 4,220円
2級・3級同日受験 11,530円
3級・4級同日受験 9,470円

試験の申込には、試験を実施している「一般財団法人建設業振興基金」のホームページから行う方法と、全国の都道府県建設業協会の窓口で配布している申込書を郵送する方法があるため、好きな方を選ぶことができる。試験会場は北海道から沖縄まで全国各地で開催されるため、最寄りの受験地を選択するのがいいだろう。

また過去の試験に使われた試験問題も、同ホームページ内で閲覧することが可能だ。

【一般財団法人建設業振興基金HP】
http://www.kensetsu-kikin.or.jp/index.html

建設業経理検定試験 合格率(27年度3月実施)

受験者数 合格者数 合格率
1級(財務諸表) 1,620人 405人 25.0%
1級(財務分析) 1,296人 416人 32.1%
1級(原価計算) 1,690人 364人 21.5%
2級 7,623人 2,676人 35.1%
3級 1,939人 1,210人 62.4%
4級 242人 184人 76.0%

建設業経理士の資格は2級が最も人気が高く、過去5回の受験者数はいずれも6千人を超えている。建設業の初歩的な簿記や原価計算であれば3級の知識でも十分だが、会計主任者や責任者レベルの業務を行うには2級や1級の資格が必須といえるだろう。建設業経理士を志す人はもちろんだが、既に建設会社で会計の業務に携わっている人もスキルアップのためにより高い級位に挑戦してみては如何だろうか。

※建設業経理士は平成18年4月の法令改正により、試験合格者の称号に若干の違いが存在する。1級と2級試験の合格者はそれぞれ「1級建設業経理士」「2級建設業経理士」となっているが、3級と4級試験の合格者は「3級建設業経理事務士」「4級建設業経理事務士」となっている。

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