
秘書としての技能を認定する「秘書検定」
細かな心遣いで上司や社長のサポートをする秘書の資格
秘書検定とは正しくは「秘書技能検定試験」と呼ばれ、上司の身の回りの世話や仕事の手助けをする秘書を目指すための資格である。
秘書を志す人には必須ともいえる資格で、取得にはビジネスの場における礼儀作法を指すビジネスマナーから、上司や社長の留守を預かる方法に至るまで幅広い知識が求められる。
上司や社長が望んでいることを適切に実行するための感覚、判断力が問われるため、それらを備えている人は秘書に向いているといえる。常に周りに目が行き届き、気配りが上手な人にも最適だ。さまざまな業務で役に立つことから、社会人としてステップアップするために資格取得を志すのもよいだろう。ビジネスにおける有用な資格として、秘書検定の資格取得を奨励する企業も少なくない。
さっそく勉強を始めるには
具体的な受験の方法に関しては、資格の大原(http://www.o-hara.ac.jp/best/hisho/)の実例を参考にしている。より詳しい情報を知りたい人、今すぐ勉強を始めたい人はこちらへ。
秘書検定の学習を通じて、大人としてのマナーや一般常識を身につけることができます。だから、ビジネスや就職・転職活動の中で実際に活かすことができるのです。2級と準1級をまとめて学べるから、効率よく合格力を身につけることが可能です。
なお、ここでは資格の大原のホームページを参考にし、より具体的な情報を掲載する。
秘書検定の受験区分と試験内容
秘書検定の資格試験は1級、準1級、2級、3級に分類される。全級とも試験は「理論」と「実技」に分かれ、1級のみすべて記述問題で出題されるが、準1級、2級、3級は選択問題(マークシート方式)と記述問題の2種類が出題される構成だ。詳しい試験内容と合格基準は以下の通りとなっている。
理論(60%以上)
1.必要とされる資質
上司の仕事をサポートするために、秘書や社会人として求められる考え方が出題される。社内や社外の人と接するコミュニケーション能力のほかに、状況に合わせて臨機応変に対応する能力が求められる科目である。
2.職務知識
秘書特有の仕事である上司の補佐に関する科目だ。秘書という自身の立場をわきまえたうえで、上司の仕事をどのようにサポートするかという能力が問われる。
3. 一般知識
経済やマーケティング用語など、主にビジネスで用いられる言葉の知識をはかる科目となっている。業務で使用する言葉のほかにも、一般的な社会常識に関する問題も出題される。
実技(60%以上)
4.マナー・接遇
電話や来客時などに求められる対応方法を見る科目である。人と接する場面ではマナーが不可欠であるため、秘書を志す人にとっては避けて通れない要素だ。
5.技能
ビジネス文書の作成や情報の管理方法など、事務的な仕事に関する技量をはかる科目となっている。オフィス環境の整備・清掃方法から機密文書の取扱い方まで、その出題範囲は多岐にわたる。
この理論と実技の合格基準を満たせば、2級と3級ははれて資格取得をすることができる。しかし1級と準1級は筆記に加え、あいさつや対応に関する質疑応答という面接試験が存在するため、両方に合格しなければならない。秘書検定の試験は2月、6月、11月と年に3回行われるが、2級と3級または準1級と2級に限っては併願して受験することもできるため、一度に2つの試験を受けてもいいだろう。受験資格に関しては特に制限はなく、誰でも受験可能だ。
試験会場は全国各地で行われるが、詳しい開催場所に関しては「公益財団法人 実務技能検定協会」のホームページで最寄りの会場を確認しておこう。応募方法も同ホームページや郵送から申込できるが、申込期間が1ヶ月程度しかないため、出し忘れには注意したい。
【公益財団法人 実務技能検定協会 秘書検定トップ】
(http://jitsumu-kentei.jp/HS/index)
秘書検定試験の合格率(平成26年11月9日分)
施行級 | 志願者数 | 受験者数 | 一次合格 | 最終合格 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
1級 | 1,239人 | 1,058人 | 577人 | 322人 | 30.4% |
準1級 | 6,575人 | 5,990人 | 3,293人 | 1,932人 | 32.3% |
2級 | 31,654人 | 29,327人 | - | 15,463人 | 52.7% |
3級 | 15,590人 | 14,559人 | - | 9,557人 | 65.6% |
年度によって受験者数や合格率は変動するが、平成26年11月の秘書試験には5万人ほど受験に挑んでいる。秘書検定試験の中でも、2級の人気が最も高く全体の半数以上を占めているが、合格率は級が上がるほど低くなり、3級で60%前後、2級で50%前後、準1級及び1級で30%程だ。秘書検定は必ずしも3級から挑戦する必要はないため、自信がある人は上位の級に挑んでみても構わない。
また受験者それぞれの状況を見てみると、大学生・短大生42.6%、高校生22.1%、専修・各種学校生12.9%と、学生の受験者が全体の4分の3を占めているという点にも触れておきたい。社会人として基本的な良識やマナーを身に付けるために、就職活動を控えた学生にも人気があることが伺える。
秘書検定試験は秘書としての能力が身に付くほか、ビジネス文書の作成から電話対応といった、業務における一般常識も習得することができる。秘書を目指す人以外にも、キャリアアップしたいビジネスマンには特におすすめしたい資格だ。