宅地建築取引士は不動産売買のプロ
不動産売買のエキスパート「宅地建物取引士」
宅地建物取引士(宅建士)とは土地や建物の売買、仲介などを行う不動産業を営むには必須の国家資格である。具体的には土地や建物を購入したり、借りたりする人に、物件に関する詳細な説明をする。また重要事項を記載した書類を作成し、記名、押印、交付するなどの業務を行う。
高額の取引が行われる不動産売買のトラブルを未然に防ぐ宅建士は、人の暮らしや企業にとって欠かすことのできない存在だ。数ある国家資格の中でも抜群の人気を誇る資格であり、毎年20万人前後の受験者が資格取得に挑んでいる。
不動産業を営むためには、事業所に5人に1人の割合で宅建士の有資格者を置かなければならないと決められている。そのため不動産業界に就職や転職を希望している人には必須ともいえる資格だが、行政書士やファイナンシャル・プランナーなど他業種を志す人がステップアップとして取得を目指すケースも少なくない。
さっそく勉強を始めるには
具体的な受験の方法に関しては、就職の大原(http://www.o-hara.ac.jp/best/takken/)の実例を参考にしている。より詳しい情報を知りたい人、今すぐ勉強を始めたい人はこちらへ。
20万人以上が受験申込をする人気の宅建。不動産会社・建設会社はもちろん、銀行・信託銀行等の金融業界、小売業、外食産業など、幅広い業界においてニーズがあります!
なお、ここでは資格の大原のホームページを参考にし、より具体的な情報を掲載する。
宅地建物取引士の試験とは
宅建士の試験には記述式の問題や口述試験は存在せず、4つの選択肢の中から1つだけ答えを選ぶマークシート方式の問題が全50問出題される。試験時間は120分と決められているため、合格のためには正確性と共に問題を解く速度も要求される。合格ラインは毎年変動するが、おおむね7割(約35問)の得点を取得すれば合格となる。
試験問題の傾向を知りたい場合は、試験の実施を担っている「一般財団法人不動産適正取引推進機構」のサイトで、過去の試験問題を自由に閲覧することができる。また宅地建物取引業に従事している人のみ、一定の講習を受講すると試験問題が一部免除される特典も存在するため、該当する人で、試験合格の可能性を少しでも上げたい場合は活用してもよいだろう。
出題される課目
1.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
2.土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
3.土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
4.宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
5.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
6.宅地及び建物の価格の評定に関すること。
7.宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
※宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準が置かれています。(宅建業法施行規則第7条)
宅地建物取引士の試験合格率
申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
2014年(平成26年) | 238,343人 | 192,029人 | 33,670人 | 17.5% |
2013年(平成25年) | 234,586人 | 186,304人 | 28,470人 | 15.3% |
2012年(平成24年) | 236,350人 | 191,169人 | 32,000人 | 16.7% |
2011年(平成23年) | 231,596人 | 188,572人 | 30,391人 | 16.1% |
2010年(平成22年) | 228,214人 | 186,542人 | 28,311人 | 15.2% |
2009年(平成21年) | 241,944人 | 195,515人 | 34,918人 | 17.9% |
2008年(平成20年) | 260,591人 | 209,415人 | 33,946人 | 16.2% |
近年はおおむね15%前後の合格率を保っている。不動産関係の仕事に就いている人は有利だが、確実に合格をするためには基礎知識からしっかりと学ぶのが一番の近道であるため、初学者でも十分に資格取得を狙うことができる。また受験者の年齢層は20代から40代が全体の80%以上を占めていて、就職活動からキャリアアップの手段など多様な目的で資格取得を目指していることが伺える。
試験に出題される法律の問題は法改定が行われるごとに一新され、古い知識は役に立たなくなってしまうという点に注意が必要である。宅建士として業務を行う場合は、常々新しい知識を学ぶという心構えを持っておかなければならないが、宅建士の試験に合格するためにも最新の法律情報をもとに学習しなければ合格は難しくなるだろう。
宅建士の知識があれば、マイホームの購入や所有している土地の相続などの際に発生する恐れがある不動産トラブルを未然に避けることができる。ビジネスに加えて日常生活においても役立つ資格だ。
※宅地建物取引業法の一部が改正され、平成27年4月1日から
「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」に、
「宅地建物取引主任者資格試験」が「宅地建物取引士資格試験」に、
「宅地建物取引主任者証」が「宅地建物取引士証」に変更されている。