働き方

働き方用語の正しい読み方【フリーランス】

投稿日:2016年4月11日 / by

増加するフリーランスの背景

フリーランスは、特定の企業や団体、組織等に所属せず、自らのスキルやサ-ビス等を提供し、報酬を得る個人事業主をいう。正規、非正規の区分ではもちろん、非正規にカテゴライズされる。昨今は、これらに準ずる、“第三の働き方”として見る向きもある。

従来の働き方では、学校を卒業後、正社員として企業に所属するのが一般的だった。その後、景気低迷期にはなかなか正社員になれず、新卒後、不本意ながら非正規になる社員が増加。そのまま抜け出せない、“非正規ループ”も問題視されるようになった。

そうした中、昨今は新卒後、あえて就職ではなく、フリーランスを選択する学生も出始めている。背景には、正社員神話崩壊のほか、ネットを活用した収入確保の仕組みが充実し、学生時代からある程度の報酬を確保できている、などが考えられる。かつては、定職に就けない人がなる最底辺ともみられた働き方も、いまやそのイメージは着実に変わりつつある。

実態調査で透けて見える“現実”

クラウドソーシングのランサーズが行った2016年版のフリーランス実態調査によると、広義のフリーランスの数は、前年の913万人から1,064万人となり、ついに1,000万人を突破。増加の速度を強めている。その市場規模は、2016年は16兆円に上ると推計され、日本でもいよいよフリーランスが一般的になる日が近づいているムードだ。

その最大の魅力は、やはり組織に縛られない「自由」さにある。同調査でも、フリーランスとしてのモチベーションのトップは「時間や場所に縛られず、自由で柔軟な生活ができる」がトップとなっている。もっとも、同様の質問に対し、アメリカでは「本業以外でお金を稼ぐことができる」がダントツトップ。フリーランス先進国における実践者の回答だけに、そこには、フリーランスの現実がハッキリと透けて見える。

freelance

それはズバリ、報酬の心許なさだ。小遣い稼ぎのいわゆる「隙間ワーカー」の大半が年収10万円未満なのは仕方ないにしても、ほぼフリーに専従の自営業系オーナーでも年収400万円以上は3割に満たない(28%)。それを反映するように、増加しているフリーランスのタイプでも、いくつもの仕事を一人が請け負う、「複業系パラレルワーカー」となっており、3倍近くの伸びを示している。

このことから分かるように、現状では、組織から自由になるフリーというよりは、請け負う仕事の選択肢からフリーになることが、メリットとして機能しているといえる。となると、ワーカー側に多くの案件が集まる様なスキルや信頼性がなければ、時間と場所からはフリーになれても、経済的に自由になるには程遠いということになる。

30年前に比べれば、フリーランスが仕事にありつける環境は格段に整備された。能力やスキルさえあれば、何とか食っていくことはそれほど難しくなくなっている。本当にフリーランスは身近になった。だが、企業に所属する対価としての「縛り」と天秤にかけたとき、「不安定」という錘がまだズンとのしかかることは、強く認識しておく必要はある。

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