働き方

そろそろフリーランスに、と考えている人が知っておくべき5つの事実

投稿日:2017年4月5日 / by

増加傾向が年々強まるフリーランス

成功しているフリーランスは例外なく、努力を惜しまない

フリーランスの拡大が止まらない。ランサーズが実施した「フリーランス実態調査」の最新版では、広義のフリーランスが1122万人で前年比5%増。その満足度もノン・フリーランスより高いことなどが分かった。今後もこの傾向は強まりそうだが、フリー転身を検討しているなら、その前に、知っておいた方がいいことがある。

特に増大が顕著なのは兼業系フリーランス

広義のフリーランスには、個人事業主・法人経営者の自由業系独立オーナー、特定の勤務先がなく、独立したプロフェッショナル、2社以上と契約ベースで仕事をこなすパラレルワーカー、常時雇用ながら副業をこなす隙間ワーカーの4つのタイプが存在する。最初の2つがいわゆるフリーで、転身リスクが高いが、昨今は、後者2タイプが増大。低リスクな“兼業フリーランス”からスタートするビジネスパーソンが増加傾向にある。この点を踏まえ、以下をみて欲しい。

1:高いスキルが必要

同調査でフリーランスの満足度は56%。それに対し、非フリーランスは36%で、自由な働き方を実践するフリーランスはやはり、気持ちよく働けていることが分かる。その理由のトップは「自分の能力を生かせていると感じる」(54%)。会社員時代は、さまざま業務に追われ、本来の能力を発揮できなかったことが透けてみえるような回答だ。裏を返せば、武器になる様な高度なスキルがなければ、こうした満足感は得づらいということでもある。もっとも、どんなスキルが評価されるのか分からないほど、現場ニーズの多様化も進んでいる。ハードルが高い、と諦めるのは早計だ。

2:“専業”より“複業”の方が稼げる

フリーランスの働き方として、契約を一企業との業務委託などで請け負う形と複数の企業と契約を結ぶ複業の形がある。強い信頼関係があるほど成立しやすいのが前者とすれば、後者は高いスキルがあるほど成立するスタイルといえる。ともに安定感は高いが、収入面では、複業にやや分があるようだ。同調査によると、単一企業と契約するフリーランスが平均年収122万円に対し、複業系では129万円となっている。高いスキルがベースとなることが多いため、比例して報酬も上がるのが要因と考えられる。どちらがいい、とはいわないが、スキルを磨いておくに越したことを示すデータといえるだろう。

3:人脈が非常に重要

フリーランスにとっての最大の難関は仕事探し。いまではランサーズなどのクラウドソーシングがインフラ化しつつあり、仕事開拓もかなり楽になっている。それでも調査では、その役割として11%の支持しかないのが実状だ。では何が有効なのか。圧倒的トップは人脈(56%)。知人やその紹介による人脈が、不安定になりがちなフリーランスを「安定」に近づける。発注先としての信頼がどうしても低くなりがちなフリーランス。紹介は、それをカバーして余りある“発注”となるだけに、人脈がないならフリー転身は踏みとどまった方がいい。それくらい重要な項目だ。

4:スキル向上をしづらい

意外なようだが、実はフリーランスにはこうした側面がある。時間の自由があるのになぜ?。これは個人事業ゆえの課題でもある。業務を請け負った場合、それに集中する。事務処理的なことも自分でする。そうやって、対クライアントとの対応に追われ、業務の幅を広げる時間が奪われる。会社員なら、各部署で役回りがあり分業出回っていたし、研修などの教育機会もあった。そうしたものがフリーランスではなくなり、知らぬ間に成長機会を失ってしまう。調査では、フリーな働き方の障壁として6%と少数派の回答だが、見逃せないポイントだ。

5:ビジネス系が多い

フリーランスというと、ライティングやウエブデザイン、プログラミングの印象が強い。だが、職種別で最も多いのは、実はビジネス系だ。全体の22.1%におよび、クリエイティブ系の16.2%を凌駕する。ビジネス系は、経営企画・戦略、新規事業開発・立ち上げ、人事・採用・教育、経理・財務、広報、マーケティングなどが含まれる。つまり、事業を推進するキーパーソンをピンポイントで活用する形として、そうした分野に長けるプロ人人材が重宝されているということだ。人材不足が叫ばれて久しいが、企業で培ったハイレベルなスキルは、雇用形態に関係なく、高い需要がある。

<まとめ>

「フリーになるぞ」。そう思っている時はポジティブでマイナス面は見過ごしがち。だが、やはりバラ色ではもちろんなく、転身には相当な覚悟が必要となる。もっとも、いまはフリーのマイナス面をカバーする組織やツールの誕生、働き方の柔軟化など、かつてに比べれば大幅にその環境は整備されつつある。そもそも、今すぐに転身した方がいい資質の人だっている。自由気ままなフリーランスももちろんよし。一方で、高いスキルがあれば、しっかり稼げる環境にある。企業の副業に対する意識も変化し、多くで容認の方向へ傾いている。まずは副業から。その後、十分に肌感覚を研ぎ澄ましてから転身を決断しても何の問題もないだろう。今回の調査でも、最も増加しているのが実は、この副業でフリーランスの仕事を行う「副業系すきまワーカー」。多くのビジネスパーソンが、この潮流を上手に活用し始めているのかもしれない。

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