働き方

職場での運動が仕事をはかどらせる? 生産性向上の新常識・オフィスフィットネスの効用とは

投稿日:2017年4月11日 / by

なぜいま、職場での運動が注目されているのか

社員を人財と捉え、従業員の健康維持を重視する健康経営が徐々に浸透しつつある。そうした文脈とは少し異なる観点からいま、オフィスでの運動が注目を集めている。実施することで、生産性向上につながることが分かってきたのだ。

職場に運動を取り入れた実験で他の施策より有効な結果が

東京商工会議所 国民健康づくり委員会が実施した、企業における健康づくりに関する実態調査に よると、健康づくりに取り組む企業のうち、生産性が向上した企業では、「企業内フィットネス」を行っている割合が顕著に高いことが判明した。昨今、企業の職場環境改善の動きは活発で、メンタルヘルス対策や医療面でのサポートなどが行われているが、施策ごとの結果には大きな差がある。

東京商工会議所 国民健康づくり委員会調べ

単純に就業中に運動をすることで、爽快感が得られることが要因のひとつだろう。運動すれば血流がよくなり、体の機能が高まるため、体調が良化。頭もスッキリし、集中力も高まる。一方で、メンタルケアやカウンセリングなどは、負の要素を吐き出す効果はあっても、せいぜい平常心のキープがやっと。業務効率を上げることまでは期待しづらいということなのかもしれない。

こうした効果に着目し、出張型パーソナルトレーニングサービスを行うGOALSは、法人向けの出張健康プログラムを開設。有資格の一流トレーナーを企業へ派遣し、健康講座と実践トレーニング指導を実施。職場での社員の健康をサポートする。

週1回の社内運動イベントで、“医療費半減”&“パフォーマンス10%アップ”の可能性

オンラインフィットネス動画配信サービス「フィット・リブ」(https://fit-lib.com/)を運営するニューロ・オン(株)(東京都中央区・代表取締役:遠藤俊介)は、同サービスの法人プランを利用する企業及び従業員を対象に6ヶ月間のモニター調査を実施。そこでも、運動による“生産性向上”が証明されている。

調査は、同社の計18人に対し、6ヶ月間に渡り、週1回程度の頻度で昼休みに<社内運動イベント活動>を実施。活動開始前と6ヶ月後にアンケート回答で結果を比較した。イベント実施時に「フィット・リブ」のエクササイズ動画を1~2本(計約20分)をモニターやプロジェクターに投影し、グループレッスン形式で運動を実施。6ヶ月間の活動に継続して参加した運動群(10人)と、参加回数が半数以下だった非運動群(8人)に分け、結果を分析した。

ニューロ・オン(株)調べ

その結果、月の診察・診療費は平均で1300円ダウン。通院回数は月1.1回から0.5回に半分以上減る結果となった。疲労やストレスでも改善傾向がみられた。そして、仕事のパフォーマンスについては、非運動群が下落したのに対し、運動群では約1割の向上が認められた。

昼休みは自由時間だが、これだけ体調改善効果があり、生産性向上が期待できるなら、企業としても運動を取り入れない手はないだろう。実験では所要時間はわずか20分。しかも週一回。業務効率を考えても、昼休みを削らず、むしろ無駄な会議をひとつ削って就業時間中のどこかに組み込んでも問題にならないハズだ。

福利厚生の一環で、職場にトレーニング機器を設置したり、フィットネスクラブと提携する企業は珍しくない。積極的に部活動を推奨企業もある。だが、その多くは、健康維持やコミュニケーション力強化を目的としている。

それもよしだが、こうした結果も踏まえ、少し視点を変え、緩めの業務の一環として何らかの運動を労働時間内に取り入れるも悪くないかもしれない。上記のように、残業削減に有効かもしれないからだ。残業削減といえば、業務量を減らしたり、スピード化を図ることに頭がいきがちだが、解決策はそれだけではないことは認識しておいてもいいかもしれない。

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