働き方

テレワークの効果を最大化するための4つの考え方

投稿日:2017年7月21日 / by

意外に知られていないテレワーク

いつでも・どこでも仕事は、やっぱり便利。2017年7月24日は「テレワーク・デイ」。通勤ラッシュなどを目的に、参画企業が何らかの形でテレワークを一斉実施する。それにさきがけ、エン・ジャパンが行ったアンケートでは、その認知度こそそれほど高くないものの、潜在的な興味を抱く会社員が多数いることが分かった。

調査対象は9,586人の社会人。認知度は41%で、制度導入企業での勤務者は6%。経験者は5%だった。半分に満たない認知度は意外に少ない印象を受ける。一方で経験者5%という数字は、20人に1人と考えれば意外に多い印象だ。

エン・ジャパン調べ

今後、テレワーク導入企業は増えそうな潮流にあるが、反対派では「仕事とプライベートをハッキリ分けたい」という意見が根強い。一方の賛成派は「通勤時間を短くして、プライベートを確保したい」が大多数を占める。

テレワークは是か非か

では、結局のところ企業にとって、テレワークは是なのか非なのか。この答えは、身もふたもないが、企業によりけり。テレワークを推奨しながら、結果的には取りやめた企業もあれば、導入によって効率を徹底追求し、最低限の労力で最大限のアウトプットを実現している企業もある。

とはいえ、テクノロジーが十分に発達した現代において、テレワークが生産性向上に寄与する働き方のひとつであることは間違いない。そこで、少しでもその恩恵を享受するためのポイントを、いくつか提示してみる。

単に職場以外で働くわけではない

テレワークというと、在宅勤務やカフェでの作業という印象が強いかもしれない。確かにその通りだが、大事なことは、テレワークを活用する人の生活との一体で考える必要があるということだ。子育てはもちろん、介護や朝型夜型といったバイオリズムなどを含めた作業時間の最適化のための手段ということだ。単に業務を切り出し、職場以外で仕事をするだけでは、多少の作業効率アップも見込めるだろうが、個々が受ける恩恵は少なく、組織やチームでみた場合にはトータルでマイナスになる可能性もある。

使い分けることで効果があがる

エン・ジャパン調べ

テレワークを実施すると丸1日、自宅や職場以外で働くことをイメージしがちだ。もちろんそれもありだが、その日の行動によってテレワークで仕事をする時間、オフィスで仕事をする時間を柔軟に織り交ぜる方が実は効率的だ。単純に出先の商談が長引いたから遠隔で会議に参加する。あるいは、家が近ければそのまま帰宅し、終業まで自宅で仕事をする、といった具合だ。時間の制約から解き放たれるという観点でテレワークを活用すれば、業務プロセスにおけるムダは大幅に削減される。

コミュニケーションを減らさない

テレワークで課題となるのは、各自がバラバラになることによるコミュニケーションの減少だ。それを理由に導入を取りやめた企業もある。対策として、リアルチャットや常時モニターで映し出すなどの工夫をする企業もある。だが、リアルの空気感がないことで、どうしても会話は減少しがちになる。単純に作業面だけをみれば、テレワークは、作業に没頭しやすく、効率は高いといえる。一方で仕上がりの確認や意見収集などが省かれがちで、質の面では必ずしも向上するとはいえない。この点を抜きに、テレワークのよさだけに焦点を当てると、企業は組織としては生産性の低い集団となりかねない…。

職場の快適性を追求する

テレワークの普及は、最終的にはオフィスを不要にする可能性もある。その意味では、職場を快適にすることはむしろ、逆行しているように思えるかもしれない。だが、テレワークのメリットを最大化するなら、職場としてのオフィスをトコトン快適にすることが実は賢明だ。「職場で仕事をするのが一番仕事がはかどる」。従業員が職場で働くことに魅力を感じながらテレワークも活用することで、より工夫が生まれ、帰属意識も高まり、組織としての生産性最大化にもつながってくる。

他にもテレワークによる業務効率最大化へのアプローチ法はあるが、大事なことは、職場以外で働くことによって、改めて職場で働く意味を考えてみることだ。通勤が辛い、上司と顔を会わせたくない、机が小さい、パソコンのスペックがしょぼい…。ささいなことが、動機になっている人もいるだろう。ならば、どうすればそれが解消されるのか。どうすれば職場が快適になるのか。それを考えてみればいい。

なぜテレワークを導入するのか…。その本質がズレると、企業にとっては、とんでもない愚策にもなりかねい。テレワークデイ実施には、通勤地獄の解消もその目的に含まれているようだが、通勤時間が浮く人は、ちょっとそんなことを考えてみるのも案外、新鮮で有益かもしれない。

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