働き方

空き時間を登録するとその時間に仕事が紹介されるマッチングプラットフォーム

投稿日:2018年11月13日 / by

すき間時間を価値に換える人材サービス

人手不足が深刻化する中、ダブルワークとすき間時間にフォーカスしたマッチングプラットフォーム「シェアフル」が誕生した。労働ニーズと余剰時間の最適化で、潜在的な労働力の有効活用に期待がかかる。パーソルとランサーズが業務提携し、設立した合弁会社「シェアフル(株)」が運営する。

左からパーソルH高橋副社長、シェアフル大友社長、ランサーズ横井氏、ランサーズ秋好社長

もはや日本の慢性病の域に入った人手不足。推計でも年々拡大することは確定事項で、その対策は急務となっている。女性やシニアの雇用はもちろん、業務自動化や外国人労働者の活用など、政府も企業もあの手この手でその穴埋めに躍起だ。

同サービスが目を付けたのは、「もう少し働きたい」という労働者のニーズ。頭数が足りないなら、掛け持ちで発生する労働力を活用する。実際、すでに働いている人で追加就労を希望する人は187万人いるとされる(総務省労働力調査2018年)。パーソルの就業中派遣スタッフによるアンケート調査でも約75%が副業を希望している。

問題はこの“隠れ労働力”をいかに有効活用するかだ。もう少し働きたい人材には当然、本業がある。働きたいタイミングに仕事がなければ、その思いが成就することはない。そこで同社が目指したのが、「働きたい」と「雇いたい」のオンデマンドニーズを解決するオンラインマッチングプラットフォームの構築だ。シェアフルはまさにそれを具現化したサービスとなる。

シェアフルの展望を語る大友社長

「登録求職者850万人、取引企業2万8000社のパーソルグループサービスと、フリーランスと仕事のオンラインマッチング領域の知見を持つランサーズの提携により、もう少し働きたいと思うワーカーと仕事をつなぐプラットフォームが構築できる。これにより、1人ひとりの時間と企業の生産活動に必要な時間を『すぐに・自由に・簡単に』分かち合い、すき間時間を価値に換える世の中を創りたい」と同社社長の大友潤氏は展望を語る。

もう少し働きたいニーズをテクノロジーで最適化

実際の利用イメージはこんな感じだ。利用者がサイトに空きスケジュールを登録。すると登録日の仕事が紹介される。働いた後には、就業先がその働きぶりを評価。それがデータとして蓄積され、評価が高ければより高単価の仕事が紹介される…。仕事先を探すのでなく、空き時間を登録しておくことで仕事が紹介される。それはまさに「すき間時間の価値転換」そのもので、もう少し働きたいワーカーにとっては理想に近い仕事との出会い方といえるだろう。

企業側にとっても利用メリットがある。同社が人材あっせんから給与計算など採用前後の処理を代行するため、企業は就業の部分にだけに注力するだけよく、最小限の労力で人員を確保できる。加えて、ワーカーも含め、需要パターンをAIで予測・提示するため、シフト調整が効率化できる。

あちこちに点在する労働者のもう少し働きたいニーズと企業の細切れの労働需要。それをテクノロジーで最適化し、マッチング。女性やシニアの活用とは一線を画す、より能動的な「働きたい」というニーズを価値に転換する同サービスは、人手不足の解消と個人の所得増の両方を実現するものであり、働き方改革の推進にもつながるものといえるだろう。

同社では当面、大学生や主婦、フリーターなどを対象に、オフィスワークや販売・軽作業などの領域からサービスを展開。将来的には会社員の副業ニーズにも対応した幅広い領域へ拡充していく。2019年1月のサービス開始から1年以内に月間ユニークユーザー(MAU)1万人。5年以内にMAU10万人を目指す。

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