インタビュー

あなたは役に立ってる?会社に自己価値を進言してみよう

投稿日:2013年11月12日 / by

アソブロック株式会社 団遊氏 インタビュー 其の弐

制度について語ってくれた団氏アソブロックが考える「働き方」~給料の決め方~

自分の価値に対して自分で値段をつける。それが年俸宣言制度である。自分の仕事に対してどのぐらいの評価ができるのかを理解するためには、とても有効な制度だ。しかし、一度申請してしまった年俸は一年間そのままなのであろうか?それに、自分では直接の売り上げを上げられない人もいる。そんな人はどのようにして年俸を決めているのだろうか?


宣言した年俸を切り替えるタイミングは?

―自分で決めた年俸は1年は変わらないんですか?

いえ、半年で変えれます。「とりあえず3月までこれでいきます」って子も多いですよ。「去年言ったこと全然できなかったんで。でも半年で巻き返しますから」って。

一応半年で区切ってますけど「別に毎月変えてもいいよ」って言ってるんですよ。社労士さんの手間はかかるんですけどね。毎月社労士さんからは「来月の給料これでいいですか?」ってきかれます。

―とは言ってもいままで2000万とか言う人はいないんですよね

いないんですよねぇ。でも、月給で10万とか20万とか上げる人はいますよ。

そこにも落とし穴はあって、例えば今まで月給30万だった人が、次の月に50万になったとしますよね。それは全然会社として構わないんですよ。ただそうすると、社会保険の適用期間が2月からなので、給料を貰っている時点ではまだ安くてすむんですけど、翌年もし給料を落としたとしても、社会保険は前年の給与にトレースされるっていうことを大体の人はそのとき知るんですよ。「あっ、そういう社会構造なんだ」って。つまりは貰ってる額より多くの税金を払わなければならなくなる。

―サラリーマンにとってはキツイ問題ですね(笑)

そういうのもやっぱり自分の勉強なので、「だからプロ野球選手は年俸が大幅に下がると死ぬんだ」みたいなこととかを身に染みてわかる。そうやって社会の仕組みも含めて、自分の適正を知るわけです。自分のスキルを上げながら、納得できる範囲で最高額を貰うようにしていくことで、最も生活が安定していくってことが、年数を経るとだんだん分かってくるんですよね。

 課題はセルフマネジメント

―この制度を浸透させるに当たって大変だったことはありますか?

社員がこの制度を受け入れるに当たって、セルフマネジメントというのが課題になっています。人が成長するには内省と挑戦というのが必要なんですけど、やっぱり内省を自分でするっていうのは難しいことなんですよね。

世の中のエグゼクティブと言われているような人にもコーチングをしている人がいるわけですよ。つまりあのレベルになっても、個人で内省するのは難しいということを分かってるわけですよね。それなのに僕らみたいな人間が、全部をセルフコーチングしていくっていうのは本当に難しい。

それなら仕組みとして、会社が少なくとも内省するタイミングを作ってあげれば、そのタイミングだけは、自分と向き合って考えることができるんじゃないでしょうか。

dan-talking社員に求める自分の給料の決め方

―制作の方はどのようにして給料を決めるんですか?

自分で年俸を宣言させることで、制作とかしている人が「自分がお金を貰うための根拠がない」っていうのがまず分かるんですよね。でも、そういう悩みを積み重ねながら給料を決めてもらってるんです。

「これだけ貰ってるのはどういう根拠かな」って自分なりに考えてから「自分はこういうことをするので、これだけはください」と言えるようになって欲しい。

根拠が薄弱なほど「なぜ自分はお金を貰えるのか」っていうことを自分で考えようとする。それがすごく大事です。自分がここにいる理由を探しながら「なんとか1年後には皆さんみたいになれるように頑張ります」と言えれば、その時点では大合格なんです。

自分の価値をアピールすることが大事

―自分が毎年毎年、会社に居る価値をそこで示せればいいということですね。

自分の価値を下げるのが一番良くないんです。商売でも値下げっていうのが一番安直な売り方じゃないですか。値段を下げるから去年どおりっていうのは全然成長しないってことなので「それはあかんで」って僕は言いますね。どんどん「自分の価値を上げていこう」っていうのを自ら課さないといけない。

―個人の成長を促す制度ですね。

そうですね。去年よりもできることが増えていってくれないと困るんですよ。会社としてというよりも、個人で困るはずです。だから、こっちとしてはたとえ売り上げから考えて多すぎても、言われた給料は出します。そこはちゃんとしないと有形無実になるんですよね。「言ってるだけやん」ってなります。

会社の売り上げのことを先に言うのではなく、そこを目指して個人が上がっていけばいいわけです。会社的にも半年の猶予期間があるのは、それが理由なんですよ。半年目に、「全然ダメやん」ってなれば、「すいません、じゃあ下げます」ってなります。

例えば制作なら、売り上げに直接つながらなくても、どうやって営業の売り上げを上げさせるかっていうことを考えられるかが大事です。「それができへんってなったら、給料を半分にせんとあかん」ってなったら、より一層考える気がしています。

其の壱 あなたの仕事はいくら?自分で年俸を宣言できる会社
其の弐 あなたは役に立ってる?会社に自己価値を進言してみよう
其の参 アソブロックに入った新入社員はどのようにして年俸を決めるのか?
其の四 転職も容認?適材適所の働き方
其の五 人材が集まると生まれるシナジー
其の六 会社としてよりも個人としての成長を促す会社の在り方

其の七 仕事は自ら取りに行く姿勢が大事
其の八 継続することでカラダに染み渡るワークショップのあり方


asoblock-Nameplate【会社概要】 社名:アソブロック株式会社
所在地 :〒162-0064 東京都新宿区市谷仲之町 2-10 合羽坂テラス4号室
設立:2003年 5月
役員:代表取締役社長 団 遊
事業内容:マーケティング戦略事業、ブランディング戦略事業、その他
URL:http://www.asoblock.net/

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