働き方

グローバル人材の育て方・前編【グローバル化が加速する働き方革命】

投稿日:2014年4月15日 / by

グローバル人材に共通する適性とは

どうすればグローバル人材は育つのか。そもそも育てるものなのか…。冷静に考えれば、「グローバル化だ。出でよ、グローバル人材」というのはおかしな話だ。単純に国内でリーダーが必要となった際「出でよ、リーダー」といって、適任者が見つかるのか。手を挙げる者がいてもそれが適任者かは別問題である。

グローバル人材育成事業などを行うドアーズ・森田英一社長は「海外での概念としてグローバル人材という言葉はない。海外では、グローバルリーダーと言うキーワードがよく出てくる。企業のグローバル化のタイプによって求められる人材は異なるが、共通する適性というのはある」と明かす。

大きくは次の2つ。(1)自分で主体的に課題を見つけ、行動する。(2)自分の頭で考え、伝える力を持つ。この2つは、国内企業でも求められる適性であり、優秀な人材なら備えるスキルといえる。森田氏が、グローバル環境での活躍条件として付け加えるのは次の4つだ。 修羅場プログラム 上記4つは、海外に赴任したシチュエーションを想像すれば、その重要さが分かる。日本の常識が通用しない異国でどれほど高度なスキルを駆使しても役に立たない。強引に押し通せば、事態は悪化し、修羅場が訪れる。外国人だからとバカにしたり、頼りにしなければ孤立してさらに悪循環となる。そうした中で自分を持っていなければ、途方に暮れるしかない。4条件を備えていれば、全てはスムースにクリアできる。

必須ではない語学力

「いま挙げた条件をクリアしている人材は、必ずしも語学が堪能でビジネススキルにたけている必要はない。むしろ、常識にとらわれない視点を持っていることが、海外では重要となる。それができる人材は,語学が不十分でもしっかりコミュニケーションがとれるようになっていきます」と森田氏は解説する。

育てるのか育つのか。その議論はニワトリが先が卵が先かに近い。重要なことは、多国籍の人種と交わっても、日本の常識や成功体験に縛られることなく、現場で臨機応変に空気をかぎ分ける能力だ。それが、グローバル人材としての必要条件であり、活躍する上での適性といえる。もっともそうした人材なら、企業に属さず、自らそうした行動を起こしていそうではある…。(後編に続く)


森田氏[ドアーズ 代表取締役 森田英一(Eiichi Morita)プロフィール] 大阪大学大学院 基礎工学研究科卒業。大学時代に、国際交流サークルを立ち上げる。大学院時代にアメリカとイギリスで海外でのインターンシップを経験。大学院卒業後、外資系経営コンサルティング会社アクセンチュアにて人・組織のコンサルティングに従事。2000年にシェイク社を創業し、代表取締役社長に就任。若手の主体性を引き出す研修や、部下のリーダーシップを引き出す管理職研修や組織開発のファシリテーションに定評がある。10年の社長を経て、現在は、ドアーズ社の社長として、グローバル人材育成事業、日本企業のグローバル化支援、組織開発、東南アジアの社会起業家とソーシャルイノベーション事業等、各種プロジェクトを行っている。株式会社シェイク 創業社長・現フェロー、株式会社ジョブウェブ 社外取締役、シンガポール現地法人beyond global Pte Ltd 代表、国立大学法人高知大学 客員教授も務める。著作に「一流になれるリーダー術」(明日香出版)「自律力を磨け」(マガジンハウス)「こんなに働いているのに、なぜ会社は良くならないのか?」(PHP出版)「3年目社員が辞める会社 辞めない会社」(東洋経済新報社)等がある。ドアーズHP:http://www.doorz.co.jp/

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について