働き方

モヤモヤ社員が報われるための「いまどきの」出世の法則とは【瓦版書評】

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目標を掲げるのいいことだが…

激動の2016年を終え、迎えた2017年。大きな地殻変動のひずみが、色々な場面で表出する混沌の1年となることは、避けられそうにない。幸いなのは、事前にそうしたことがある程度想定できていることだ。その上で、今年をどんな1年にするのか。「プロジェクトを成功させるぞ」、「収入をアップするぞ」、「課長昇進」…。年の初め、ビジネスパーソンなら、そんな威勢のいい目標も掲げよう。

いまどきの「出世学」(日本経済新聞出版社:平康慶浩著)

いまどきの「出世学」(日本経済新聞出版社:平康慶浩著)

ただし、目標達成へのアプローチの仕方は、そろそろ改めた方がいいかもしれない。理由は明白だ。いつも通りの決意とは裏腹に、その前提となる環境が変質してしまっているからだ。例えば会社員の場合、目標を「昇進」に設定したとする。ゴマすりはもちろん通用しない。だからといって、スキルが突出しているだけでも難しい。収入アップを目指すにしても、そもそも年功制での報酬アップは事実上終焉している…。

目標達成に向け、頑張ることはもちろん大切だが、今まで通りの頑張り方では報われない。残念ながら時代は変わってしまったのだ。だからと言って途方に暮れることはない。変わった環境にフィットする頑張り方をすれば、しっかりと報われる。変化に対応することは、生物が生き延びる上で何よりも重要であることは、進化論の通りだ。高度経済成長期に生まれた働き蜂としての「カイシャイン」はいま、大きなマインドの変革が求められている。

会社員の正しい頑張り方を教えてくれるノウハウ書

本書はタイトル通り、出世のノウハウが詰まった会社員の参考書にふさわしい内容となっている。ただし、「いまどきの」とあるように、過去の出世の法則はそこにない。その意味で、そうしたノウハウが染み込む旧型会社員にはショッキングな側面もあろう。社歴が無意味になる、年収は業界によって決まる、サラリーマンの時代は終わる…。これまでの常識を完全に覆す事実が、人事を知り尽くす著者によって理路整然と示され、不安定になりがちな会社員のハートをズキズキと刺激する。旧来の会社員の成功法則をいまも信じる人間なら、唖然として固まってしまうかもしれない…。

もっとも、心配は無用だ。全てを読み終えれば、まさに「いまどきの」サラリーマンとしての処し方が、スーと腹落ちしてくる。「出世とは何ぞや」--。目の前の仕事を頑張って課長になることが、会社員としての心得。そう信じて疑わなかったとすれば、本書はその固定観念を腕のいい整体師のように鮮やかに解きほぐしてくれる。

分かっているようで実はよくわかっていない会社員の本質。その呪縛から解き放たれる先に、一体なにがあるのか。「出世」をテーマにしながら、結果的に働き方改革の個人としての気の持ちようや考え方を指南してくれる本書は、先行きの不安がどうにもぬぐえないサラリーマンにとって、その気持ちをリセットし、新たな意欲を掻き立ててくれる一冊となりそうだ。

 

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