働き方

人工知能でメンタル疾患を予防する時代の注意点

投稿日:2016年9月2日 / by

テクノロジーの力で予防する離職や精神疾患

HRテックで期待されるのは、採用や業務の効率化ばかりでない。人工知能を活用するという視点でいえば、離職や精神疾患の予防への貢献にも期待が寄せられている。本来なら、綿密なコミュニケーションがそうした不幸を回避する役割を担うが、複雑化と膨れ上がる業務量に企業もそこまでケアする余裕はない。とはいえ、放置するわけにもいかない。そこで活躍するのが人工知能だ。

sasque

サスケの「サブロク」はビッグデータを活用したうつや退職をテクノロジーのチカラで予測するクラウド型の人事・労務ツール。その的中制度は、なんと8割以上といわれ、ストレスチェックが義務化された現代の職場問題を解決するツールとして、注目度が高まっている。

予測フローは、人事・労務データをクラウドサーバーで受領し、分析データへ変換。機械学習によって予測モデルを作成し、判定する。具体的には勤怠情報や性別、年齢、スキル、アンケートデータなどが活用され、分析する。最近遅刻ぎみだ、欠勤が多い、連日帰りが遅いなどをデータ化することで、過去の傾向と照合するなどで、例えば退職リスクやうつ罹患リスクがみえてくる。

sukedachi

(株)FRONTEO(フロンテオ)の「AI助太刀侍」は、メールなどのデジタルコミュニケーションで発生するテキストを分析することで、人事管理や営業管理を支援する。業務のやり取りや日報など、社員がデジタルコミュニケーションをとらない日はない。そうしたやり取りの中から、同製品は、リスク要因を人工知能が掴み取り、人材流出やハラスメントの発生を早期発見・防止につなげる。営業日報では、商談の掘り起こしなどにつなげる要素を検知し、ビジネスチャンスの見逃し回避を支援する。

機械=ドライでなく、いかに使い分けるかが重要

テクノロジーによるネガティブ行動のケアというとドライな印象があるが、あくまでアラートとして捉え、人事担当者が効率的にケアするためのサポートツールと考えれば、その有効性は非常に高いといえる。データによる行き過ぎた管理はかえってマイナスになりかねないが、うまく活用することでウェットな職場を取り戻すことも可能だろう。

スマホやスマートウォッチなど、デジタル端末はより細分化され、身近になっている。どこに線引きするかによるが、そうしたアイテムを活用することで、社員個々のデータをより細かく取得することは可能だ。データ量が多く、さらに種類が豊富なら、解析精度はより高まる。それだけに、戦略人事の拡がりは、それに比例してデータ取得の範囲を広げることにもなる。つまり、結果的に社員の遠隔監視を強化する方向へと傾きかねず、活用側はバランス感覚を問われることになる。

すでにネット分野ではその活用データが吸い取られているが、個人情報の問題もあり、活用には慎重だ。同様の配慮が、HRテックでも当然求められる。過剰なデータ活用が、社員によるデータ流出抑制に作用する可能性もあり、そうなれば、データはミスリードを呼び込む粗悪なものへ転落する。企業がどこまでデータを取得し、どう活用するのかをアナウンスする際には、細心の注意と配慮が求められるだろう。

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