働き方

複業ワーカー&フリーランスを支援する協会が発足

投稿日:2017年1月26日 / by

フリーランス協会発足目的とは

フリーランスを支援する事業者がフリーランス個人と共に組織する「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」が2017年1月26日、任意団体として発足した。フリーランスや複業ワーカーなどの有志が運営の主体となり、賛同企業23社が設立を支援する。同日より個人会員(無料メルマガ会員)、2017年4月には社団法人化と個人会員(正会員)の募集を開始予定。2017年度中に、1万人規模の個人会員の入会を見込む。

協会設立の趣旨を説明する田中代表理事

協会設立の趣旨を説明する田中代表理事

フリーランスの活動環境等を支援する協会はいくつか存在する。そうした中で、同協会は2つの点で既存組織と一線を画す。正式名称に入っているようにパラレルキャリア実践者をその対象としている点。そして、企業と連携している点だ。

同協会共同代表の一人でWaris代表の田中美和氏は、協会設立の狙いを次のように解説する。「設立の趣旨は大きく3つ。フリーランスが主体となり、その実態を把握し発信すること。そして健全に活躍できる土壌をつくること。3つ目がフリーランスという選択肢を提示、個人の働き方の多様化を後押しすること。パラレルキャリアも含めているのは、これまで見てきた中でそうした事例がとても増えてきているため。そして、最大の特長は企業と連携するという部分になります」。

働き方の柔軟性を加速させる“触媒”

指摘通り、昨年から働き方改革は急速にその動きを加速している。副業や複業を解禁する企業も増加し、働き方は多様化している。実際、ランサーズの調査では、2016年に最も増加したフリーランスが「複業系パラレルワーカー」で、前年比3倍となっている。副業でなく、本業でのスキルを最大化し、複数の企業と契約を結ぶワークスタイルが、いわゆる副業ワーカに迫る勢いだ。それだけに運営する上で企業との連携は、不可欠といえる。

官の側から働き方改革の展望を語る伊藤氏

官の側から働き方改革の展望を語る伊藤氏

サイボウズはさきごろ、「複業採用」を打ち出したばかりだが、企業と個人の雇用関係はいま、人口減少を背景に激変の時を迎えている。2016年10月に「柔軟な働き方に関する研究会」を設置した経産省の産業人材政策室参事官の伊藤禎則氏は、「長く省で働いているがいま、大きな山が動くことを実感している」と興奮気味に明かし、働き方改革の推進において日本がいま、旧来型から新しい働き方へシフトする分かれ目にいるとした。

こうした潮流の中で同協会が担うのは、個人会員に対してはコミュニティ形成やスキルアップ支援など、法人会員へはサービス利用の促進や企業のフリーランス利用の啓もう。政府に対しては、実態の把握やルールつくりの支援、フリーランス人材の地位向上などの働きかけなどだ。

フリーランスや複業ワーカーの力だけでは困難な部分を組織として支援。さらに不安定による不安から一歩を踏み出せない潜在人材の後押しをすることで、硬直する働き方・雇用スタイルの触媒として活性化しながら、協会はその活動をバックアップしていく。

フリーランスを主役に企業と官も絡み、日本の働き方改革の一翼を担う

フリーランスを主役に企業と官も絡み、日本の働き方改革の一翼を担う

フリーランスや複業実践者がイキイキ活躍するには、なによりも個々が培ったスキルやキャリアをこれまで以上に意識し、武器として磨き上げることが重要となる。そうしたことのサポートに加え、協会がスキルやキャリアを複数企業との契約における通行手形として通用する価値付けをし、文化としても定着させることができれば、働き方は一気に柔軟性を帯びる。

「なんでもやります」の職域無制限型から、スキルや職域限定型への転換は、働き方改革を進める上では、必要不可欠だ。これまでは、ビジネスの世界では、一部人材にしか使われることのなかった「プロフェッショナル」という言葉。それが主流の時代となる、まさに新しい働き方へのシフトへ向かい、民と官も絡む大きな一歩がこの日、踏み出されたといえるだろう。

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