働き方

好きなことで食べていける人とそうでない人の決定的な差とは

投稿日:2017年7月10日 / by

変人・安田の境目コラム

好きを仕事にできる人になるための条件とは

好きな事で食べていける人と、好きな事では食べていけない人。その境目はどこにあるのでしょうか。普通に考えれば、それはスキルの差。つまり、プロとアマチュアの、違い。お金を払ってもらえるレベルなのか、あるいは払ってもらえないレベルなのか。


でも本当にそうなのでしょうか? プロの料理人と、アマチュアの料理人。プロの陶芸家と、アマチュアの陶芸家。そこには明確な差があるのでしょうか…。

既存のマーケットがある分野において、その基準は明確です。仕入れる人が、決めるのです。彼の作品は買うけど、君の作品は買わない。という具合に。たとえばプロ野球なら、球団が採用する選手を決めます。画廊だったら、そこのオーナーが仕入れる絵画を決めます。マーケットを握っている人。つまり、顧客を集められる人が、選ぶ権利を持っているわけです。

でも世の中には、個人で商売をしている人もいます。たとえば家族経営のレストラン。そこではどんなメニューを出すのかを、自分たちで決める事が出来ます。なぜ、自分たちで決める事が出来るのか。それは、自分たちが直接、顧客と繋がっているから。自分の絵を買ってくれる人と直接繋がっていれば、画廊のオーナーに認められる必要など無いのです。

新しい世界の新しい常識とは

好きな事で食べていける人。その第一は、マーケットオーナーに認められる人。これは今までの常識どおり。その第二は、直接顧客と繋がっている人。ここに新しい常識が生まれるのです。

好きな事で食べていきたいのなら、自分自身で顧客を開拓する。それが重要になります。でも多くの人は、そこに壁を感じてしまう。なぜなら、営業や売り込みが苦手だから。断言しましょう。それは大きな間違いです。顧客を開拓するために必要なのは、売り込む力ではありません。そんなことは誰も求めていません。

必要なのは、繋がる力。ゼロから人脈を作ることではありません。私たちはもう既に繋がっているからです。大事なのは、その繋がりを強くすること。人はみんな繋がりを求めているのです。自分と同じ「好き」や「こだわり」のある人との繋がり。自分だったら、どういう情報に触れたら、繋がりたくなるのか。それを考えればいいのです。

これから始まる新しい世界。そこでは、すべての人が消費者であり、供給者でもあるのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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