名刺の価値観を変える新機軸のサービスが登場
急拡大中の名刺管理アプリに新機能を追加
ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリー(株)が名刺管理アプリ「Wantedly People」の新機能を追加した。登録した名刺の企業や業界に関する情報をAIを活用して収集。話題を提供し、貯まった名刺の価値を最大化する。
新機能追加の目的はシンプルだ。「蓄積された名刺の先にある活用をするため」と同社代表の仲暁子氏は明かす。ビジネスシーンにおいて、名刺交換は、まさに最初の一歩。その先にはあらゆる可能性が広がっている。だが、実際には、名刺交換後の名刺は、デスクの肥やしになっているケースがほとんどだ。
これまでなら、それでも問題はなかった。ところがいまや、産業・社会構造は変質し、企業寿命はどんどん短命化。「定年」は死語となり、生涯現役の人生100年時代ともいわれる。もはや、会社に依存していては、その崩壊とともに個人も没落しかねない状況にある。だからこそ、今後は名刺の束を資産に転換する、つまり、個人が人脈構築に活用することが重要になる。
ビジネスパーソンの意識変革を促すアプローチ
新機能は、名刺交換相手、その所属企業、そして業界に関するニュースをAIが自動収集。名刺交換後のスムーズなコミュニケーションをサポートする。技術的な革新性こそないが、名刺というある意味で“社交辞令”なやり取りを濃密な関係へと昇華させようという点では、ビジネスパーソンの意識面での変革を促すアプローチといえるかもしれない。
Wantedly People自体は、昨年11月のリリースからわずか8ヶ月でユーザー100万人を突破。競合サービスに一気に並ばんとする勢いで拡大を続けている。大半はまだ、名刺を管理する便利ツールとしての活用と考えられるが、新機能に利用価値を感じるビジネスパーソンがどこまで伸びるかによっては、人材流動化を加速するツールになる可能性もある。
過渡期にある働き方とリンクすることで、複業や兼業を考えるビジネスパーソンと企業をつなぐツールとして重宝されることも考えられる。あくまでも利用者次第だが、うまく歯車がかみ合えば、ビジネスパーソンの新しいインフラとして面白い存在になる可能性はありそうだ。
なお、同社は併せて、同サービスの広告機能の追加も発表。グラフィック広告、記事広告、動画広告の3フォーマットで展開する。