
うまくいっている会社員は本当に会社の看板のおかげなのか…
会社のブランドは本当に“印籠”なのか
私が勤めていた頃の話ですが、以前、とある先輩からこういうことを言われたことが有ります。
「サラリーマンは、会社の看板を背負っている」、「会社のブランドがなければ、ただの人」、「看板があってこそ受注がうまくいく」…。
よく言われていることですから、あなたも一度くらいはこのようなことを耳にしたことがあるのではないですか?
果たして、これは本当なのでしょうか?「その通りだ」という意見もあれば、「違う」という意見もあるでしょう。会社に対するスタンスによって、考えは変わってくると思います。
昨年、会社、サラリーマンを卒業した私が、いま感じていることは、この話は「ある意味合っていて、ある意味では違う面もある」ということです。
サラリーマンと(起業家も含む)自営業者で、優劣があるわけではないですが、取引時のなどの信用度は「サラリーマン」の方が、ある程度高いように思います。著名な企業に勤めていれば、確かにたしかに「ブランド」が上乗せされる気がします。
ただ、実感として、昔に比べ、企業がどうかの前に「人がどうか」という点がより大事にされているように感じています。
企業ブランドより本当に大事なものとは
仮に、あなたが取引先とおつきあいをするにあたって…取引をしたいのは、どちらの人ですか?
A.あまり有名でない会社に働いていて、いつも清潔な身なりで、ハキハキと応えてくれ、前向きな人。
B.著名な会社に働いているが、いつも身なりがだらしなく、返事もそこそこな、言い訳ばかりする人。
きっと、「A」の方が多いのではないでしょうか。
私の感覚では、大局的には「A」の方が成果を上げるでしょうし、双方の会社にそれぞれに同じような社員がたくさんいたとしたら、いずれその立場は“逆転してしまう”ことでしょう。
結局、企業のブランドは「その企業にいる人たちの過去からの積み上げの総和」だといえるのではないでしょうか。
魅力のある社員が多い組織は、魅力のある人を引き寄せ、結果として、組織が成長しますし、魅力の乏しい社員が多い組織は、どんどん魅力のある人が去っていき、組織はみるみる衰退していく…。
私は、魅力のある社員が多くいるからこそ、その企業のブランド価値が向上するものだと思っています。
⇒ハピネスマイル 代表 尾形 和昭 公式ブログより転載
【プロフィール】尾形和昭 Ogata Kazuaki ハピネスマイル合同会社 代表 NPO法人ファザーリング・ジャパン「男の100年ライフ」プロジェクト リーダー。1972年1月生、広島県三原市出身。住友金属工業に入社し、IT部門で開発、営業等、数多くの業務に従事。1999年に労働組合の立ち上げメンバーとなり、旗揚げ。その後、働きがいのある職場づくりの研究を担当。以来、仲間とともに、職場・グループ会社での働き方改革を実践し、事務局長、副委員長や、グループでの事務局次長、執行委員長を歴任する。その間、出向・転籍・会社の株主変更等も経験、1,800名の労働組合トップ、50,000 名超のグループ労組事務局での経験や体験談を踏まえ、働き方改革を世の中で推進していくため、2016年ハピネスマイル合同会社を立ち上げる。「ワーク・ライフ・シナジー」「イクボス」「働き方改革」の重要性を、多くの人に伝えるために、企業や、労働組合、自治体などを中心に講演、執筆を中心に活動をしている。