働き方

複業が複業を呼び込むプラットフォームの先にある働き方の未来

投稿日:2017年9月1日 / by

弾力化する職場と雇用のカタチVol.6

エンファクトリー チームランサー

副業・兼業が解禁となり、会社員の時間の使い方にうねりが起こりつつある。だが、そうした次元を超越し、「専業禁止」を打ち出し、社員に副業を“義務”づける企業もある。エンファクトリーだ。

本業に支障が出るから副業は控えてくれ。それが、一般的な会社のスタンスだとすれば、同社はその真逆といえる。本業に専念することで視野を狭めるのでなく、副業で視野や人脈を広げ、それを本業に還元して欲しい。それが、同社が専業を禁止する狙いだ。

専業禁止といっても、副業にあてる時間は基本、業務時間外。そこに妥協はない。その結果、同社では、社員の時間管理力が高まり、残業は自ずと少なくなっている。収入面でも本業以上の収入を上げる強者もおり、文化はしっかりと浸透している。

当然、副業で自信をつけ、離職する者もいる。だが、それは織り込み済み。エン・ファクトリーの社名には<縁を作りだす>の意味が込められている。同社を去っても、縁があるのだかつながり続ける。仕組みとしてそうした弾力性・柔軟性があり、それが、目に見えない力となって、同社の成長を推進する。

2017年になり、新たな事業も生まれた。それはまさに縁を積み上げてきた同社のひとつの集大成といえるような事業だ。その名も「チームランサー」。フリーランスやパラレルワーカーが補完し合いながらチームを結成し、プロジェクトに参加できるプラットフォームで、いわゆる新しい働き方を支援する。

個人で副業に取り組むのもいいが、能力を最大限に生かすとなるとチーム単位が望ましい。とはいえ、簡単に仲間が見つかるワケではない。その課題をクリアすべく、同社が培ったネットワークやノウハウを結集し、サービスに落とし込んでいる。

企業が副業を“義務”とし、その結果、社員がプロワーカーとして目覚める。そうした文化を醸成してきた企業が、その先を見据えたように生み出した同サービスは、まさに会社間の垣根のない次の働き方のスタンダードになり得る働き方のニューモデルといえる。雇う、雇われるでなく、プロジェクトに合わせ、最適なメンバーが集う。

<所属なし。コミット企業3社。待遇は正社員同等>。ワーカーのフリー転身もそうだが、加えて企業間の垣根がなくなれば、働き方はどこまでも弾力に富み、柔軟になる。それがスタンダードになれば、いわゆる正社員という一社縛りの雇用形態自体が足かせになる。環境に適応する者が生き残る。そうだとすれば、フリーエージェント時代は静かに着々と近づいているといえるのかもしれない。(続く

第一回→ すぐそこまで迫る企業も個人も二股が標準になる時代

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