
職場で野菜を販売するサービスは社員を健康にできるのか
新鮮野菜を職場で販売するサービスをスタート
職場がマルシェになって社員が健康になる--。(株)ヴァカボは、同社が運営する野菜直販サービス、サンロクゴマーケットのオフィス版を開始。食のスペシャリストが職場を訪問。解説付きで採りたて野菜を販売し、従業員の健康増進アプローチを図るサービスで健康経営を後押しする。

社員の前で食についての情報説明をするFMマネージャーの藤田氏
昼休みのオフィス。業務中の社員もチラホラいる中で、コミュニティスペースに多くの社員が集まった。お目当ては、朝採れたばかりの野菜の販売。単なる設置販売でなく、フードメッセンジャーと呼ばれる食の専門家が、クイズなどを交えた分かりやすい解説も行う。つまり、販売会には、食育も兼ねた健康増進につながる濃密な講習の意味あいもある。
「もともと商業施設で集客がメインの野菜販売会を行っていた。そのノウハウを活かし、7月からオフィス版をスタートした。昨今は健康経営が注目されており、職場での健康意識は高まっている。福利厚生などでの活用などニーズはある」と同社代表の長岡康生氏は明かす。
食育も兼ねることで類似サービスと差別化
この日、社員の前で豊富な知識と巧みな話術で野菜を販売した藤田久美子氏は、第五回野菜ソムリエアワードの全国王者。フードメッセンジャーと命名するこの野菜伝道師の活躍の場をひとつでも増やすことが、同社のミッションのひとつでもある。単なる野菜販売に留まらない同社のスタイルは、昨今の健康経営への意識の高まりとシンクロし、新たな価値を生み出したといえる。

野菜販売のオフィス版を開始した理由を説明する長岡氏(右)と藤田氏(左)
職場での健康惣菜配置販売や野菜の設置販売は既に存在する。だが、同社・藤田氏は「ただ置いているだけではなかなか手に取って貰えない。食のスペシャリトを通じ、食の知識啓蒙をすることは大きな差別化になる」と力説。採れたての新鮮野菜と食の専門家のコンビが、競合サービスとの差別化ポイントであると自信をみせる。
導入する企業側も、食の専門家の存在に着目。この日、同サービスをテスト導入したソネット・メディア・ネットワークス(株)の担当者は「健康経営を推進していく中で、食の部分をどうするかとなった時、野菜に目がいき、そこに食のスペシャリトが着くことが興味を引いた」と説明。本導入も視野に、同サービスでの社員の健康増進プランを実施する可能性も示唆した。
気になる導入コストは、毎月1回、年12回開催の年間契約コースで税別3万円から。スポットコースもある。なお、販売時間は、昼休みもしくは帰社時となっており、基本、業務に支障をきたさない。