制約をぼやく人が気付いていない重要な視点とは
変人・安田の境目コラム
私が自分ルールを絶対に守るワケ
私は午前中には人と会いません。17時以降は仕事をしません。午前中は自分自身のスキルアップ、17時以降は休息に時間を使うためです。ワガママだ、と言う人もいます。でも私自身は、まったくそうは思いません。他人から見れば、私はとても自由に見える。でも本当は、とてもとても不自由なのです。
午前中に人と会わない。17時以降は仕事をしない――。この制約があることによって、不便だなあと思うこともあるのです。だったら、やめればいいじゃないか。そう思いますよね。でも私は、自分で決めたこのルールを、絶対に破らないことにしています。
なぜ、ルールを破らないのか。なぜ、もっと、臨機応変にしないのか。それは、他人に縛られたくないから。自分で自分を縛らない人は、必ず他人に縛られるからです。
人は必ず、縛られる。私たちはもっと、この事実を重く受け止めるべきです。なぜ人は、会社に決められた時間に出社するのか。なぜ人は、顧客に指定された時間に訪問するのか。それは、自分で決めていないからです。いくら稼ぐのかを、自分で決めないから、会社に決められる。いつ行くのかを、自分で決めないから、顧客に決められる。嘘みたいですが、これは本当の話なのです。
自分で決めるからその通りになるという道理
自分の年収を1000万円と決める。自分が決めた時間に、顧客と会う。すると、どうなるか。会社も顧客も、入れ替わっていきます。そんな社員は雇えない、と言われたら辞める。それでも来てほしい、という会社に入る。そんな人とは仕事が出来ない、と言われたら断る。それでも仕事がしたい、という人と仕事をする。
もちろん、実力は必要です。1000万円でも、雇いたいと言われる実力。時間を調整してでも、ぜひ仕事を頼みたい、と言われる実力。そりゃあ、実力があればね、と思いますよね。では、どうやったら、実力はつくのでしょうか。会社や顧客の要望に従っていたら、実力はつくのでしょうか。いや、そんなことは、絶対にあり得ません。
私は午前の時間を、スキルアップに使います。17時以降を、休息に使います。それは、自分のパフォーマンスを高めるためです。コツコツ学び、しっかりと休む。それが安田佳生のパフォーマンスを高めるルールなのです。だから私はそのルールで自分自身を縛ります。より自由に、やりたい事で生きていくために。
自分で自分を縛る人だけが、自由になれるのです。自分を縛れない人は、必ず誰かに縛られるのです。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。