働き方

“ジタハラ”がヤバい本当の理由

投稿日:2017年11月29日 / by

4割のビジネスパーソンが苦悩する働き方改革の二次被害

約4割のビジネスパーソンが“ジタハラ”に苦悩…。(株)高橋書店(本社:東京都文京区 代表取締役社長:高橋秀雄)は、さきごろ「働き方改革」に関するアンケート調査を、日本全国のビジネスパーソン男女730名を対象に実施。その結果、多くのビジネスパーソンが、長時間労働改善の理想と現実の板挟みにあっている実態が浮き彫りになった。

高橋書店調べ

まず、働き方改革についての質問で、「実施している」と回答したのは、53.4%。半数以上が働き方改革に取り組んでいる結果だった。その上で、それにより困っていることも聞いている。最も多かったのは「働ける時間が短くなったのに、業務量が以前のままのため、仕事が終わらない」 (41.5%)。2位は「仕事が終わっていなくても定時で帰らなければならない」(25.6%)だった。

上位2つはまさに長時間労働是正を叫びながら、業務量の調整など抜本的な改革に目を向けない、低次元のマネジメントによる、“ジタハラ”。多くのビジネスパーソンが、業務量そのままの指示だけ時短要求に困惑している様子が透けてみえる。

働き方改革だ、長時間労働是正だ、が無理難題であることは明白だ。なぜなら、マネジメント層による業務量を減らす施策なしで、労働時間だけを減らせば、よほどのスピード化が伴わない限り、どうしても積み残しが発生するからだ。業務量を減らせば売り上げが下がる。減らさない理由がそうした理屈だとすれば、改革にはほど遠く、改善にさえなっていない。単なるゴリ押し要求だ。

実は根深いジタハラの元凶

実は大手は、こうした状況に対し、外注率を増やし、社員の労働時間減を補っている。正当な長時間労働是正への施策といえるだろう。だがその結果、中小や受託型企業に、これまで以上に業務が流れ込んでいる実態もある。ちょっとした“働き方改革景気”といえるが、中小とて、働き方改革の取り組み対象であることに変わりない。「帰れ、帰れ」といわれても業務は山積み…。ありがた迷惑以外の何物でもない。

厳しいようだが、働き方改革をうまく消化できない企業の行く末は厳しいといわざるを得ない。なぜなら、<働き方改革だ、残業するな>という理屈と<売り上げが落ちた、もっと営業を頑張れ>は同じ発想だからだ。おそらく、ジタハラ企業は、そういう体質だろう。つまり、問題解決のための抜本的施策を立てられず、尻を叩くことしかできないマネージャーしかいない…。これはブラック企業そのもので、社員は離職し、優秀な人材が集まらず、業務だけが積み上がっていき、やがてその圧力で瓦解するーー。

職場には様々なハラスメントが横行しているが、会社の将来を見据えればないのがベスト。あれば、嫌な思いをする人が発生し、それは伝染する。そんな職場が発展するはずがない。そもそも、ハラスメントはたいていの場合、している本人は無意識だ。それを指摘しづらい空気が蔓延しているとすればそれも問題。もはや、ハラスメントは、どのタイプも局地的なものでなく、会社の浮沈を左右する重要問題。それ位の意識で向き合わなければ、3年後、会社がどうなっているのかさえ分からない。そんな時代なのだ。

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