働き方

“働く”のストーリーが示す、百社百様の働き方改革のヒント

投稿日:2017年12月7日 / by

働くストーリーを表彰する異色のアワード

働く“ストーリー”を表彰するアワードプログラム『Work Story Award』が2017年12月7日、都内で開催された。人や企業でなく、ストーリーに焦点を当て、これからの日本をつくる道筋を照らす異色のアワード。働き方を選択できる社会づくりの実現を目指す、一般社団法人at Will Work が主催した。

働き方改革が企業にとって、必須課題となりつつある中、企業の取り組みを表彰するイベントも増加している。多くは、企業の人事制度や取り組みにスポットをあてたものだ。そうした中で同イベントを企画したat Will Workの代表理事、藤本あゆみ氏は、その狙いを次のように明かした。

「at Will Workの活動をしていく中で、働き方について相談されることも少なくありませんが、人事制度や取り組みなどは、職種や企業規模が違うとそのまま応用するのは難しいとの声も聞かれます。そこで我々は、企業でも人でもなく、ストーリーに焦点を当てることにしました」。成功企業が採用したルールや形式ではなく、取り組んだ背景や人々の思いなど、プロセスの中にあるストーリーにスポットをあてることで、道筋を照らし出す。いわゆる企業アワードとは一線を画す同プログラムは、そうした思いから誕生している。

受賞ストーリーは、58社による61のストーリーから一次選考を経て、20社が確定。具体性、実現可能性、展開性、リアリティ、独創性、経営貢献度、社会的インパクトの項目とすり合わせ、厳正な審査の末、絞り込まれた。

10にカテゴライズされたテーマ部門賞では、世のテクノロジーを活用して働き方の向上に挑戦したストーリー、いままでのやり方を超えて自分たちの定義の中で新しい取り組みに挑戦したストーリー、誰のモチベーションを変えたのかが分かるストーリー…などにあてはまる企業の取り組みが表彰された。

その他、ゲスト審査員特別賞5賞、グループ審査員特別賞5賞が受賞した。

ストーリを表彰対象としたことで、自社で取り組む際に、単純に参考にしたいという共感からストレートに入りやすく、働き方を模索する企業にとって、“分かりやすい”スタイルといえるのかもしれない。at Will Workでは、同アワードの実施を5年限定としてるが、それは「5年後には働き方の多様性はいまよりもずっと進んでいるハズ。変化のスピードを早める一助になるため、期間限定とした」と働き方改革の将来を見越してのものだ。

2017年は、働き方改革元年ともいえるほど、関連の動きが目立った。だが、まだまだ地に足がつくどころか、空回りしている感が強いのが実状だ。もっとも、働き方改革には正解はない。各社各様、社風やビジョンなどによって、その数だけ答えがある。同プログラムでは5年後に100のストリーが選出されることになるが、そのころには、その何十倍もの働き方のストーリーが生まれ、働き方の選択肢は働き手の仕事にも生活にも潤いを与えるほど多種多様になっているハズだ。

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