
個人のお金を合法的に“武器レベル”のパワーに転換する方法
変人・安田の境目コラム
なぜ私が一人法人を“経営”するのか
私はBFIという会社とは別に、安田佳生事務所の代表でもあります。どちらも株式会社です。でも、その意味合いは、全く違います。
私はBFIの株を、30%所有しています。他に3人の株主がいて、共同経営の会社です。安田佳生事務所の株は、100%所有しています。そしてスタッフも、私しかいません。
100%株を持ち、スタッフも自分しかいない。公私混同しても、誰にも迷惑をかけない、何でも自由にできる、オモチャのような会社。それが「株式会社 安田佳生事務所」なのです。
では、何の為にそんな会社を作っているのか。税金対策?確かに、今では、その効果もあります。ある程度の売上と利益が、確保できるようになったから。
でも設立当初は、そんな効果はありませんでした。むしろ、法人化したことによって、かかる費用が増えました。設立にも、維持するのにも、結構お金がかかるのです。
同じお金を“武器化”する合法マネーロンダリング
なぜ、そうまでして、法人化するのか。なぜ、株式会社にする必要があったのか。それは、自分のお金を、自分のお金ではなくすため。お金という駒を、武器に変えるためです。
正直言って、安田佳生事務所の口座にあるお金も、安田佳生個人の口座にあるお金も、私のお金といえば、私のお金です。どう使おうが、私の自由なのです。
もちろん株式会社なので、勝手に使うとは言っても、手順は必要です。給料として、私に支払うのか。経費として、何かに使うのか。きちんと記録し、税金も払わなくてはなりません。
でも法律を守っている限り、ルールに違反していない限り、何に使うか、どう使うかは、私の自由。つまり、私個人のお金と、大して変わらないわけです。にもかかわらず、わざわざ経費を使って、口座を分けている訳です。それは、お金を武器に変えるため。私のお金を、私のお金ではなくすため。
私は20年も社長をやって来ました。それなりに、お金も使ってきました。だからビジネスにお金を使うことには、かなり慣れています。その私でさえも、個人のお金を使うのは、かなり勇気がいることなのです。個人口座の100万円。これをビジネスに使うには、かなり勇気が必要です。
だからまず、会社をつくるのです。会社をつくって、100%の株主になる。すると自分のお金は、会社の資本金へと変わります。たったこれだけで、お金は武器へと変化する。誰にでも出来る、合法的な、マネーロンダリングなのです。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。