働き方

ワークとライフの間に境目はあるのか、あるべきなのか…

投稿日:2018年3月19日 / by

変人・安田の境目コラム

私がジムに行くことが「仕事」に近いと思う理由

土日は、お休みですか?と聞かれることがあります。私はその度に、答えに窮するのです。なぜなら休んでいないから。だったら、仕事だと言えばいい。そう思いますよね。でもそんなに単純ではないのです。なぜなら仕事の定義が異なるから。

質問者さんにとっての仕事。それは、拘束される時間(自由にならない時間)。そして、お金を稼ぐ時間(報酬に繋がる時間)。土日はそれが一致していない時間なのです。私は土曜日にコラムを書き、日曜日にそれを仕上げ、ジムに行きます。普通に考えるなら、コラムを書くのは仕事。ジムに行くのは、仕事ではない。

でも私にとっては、どちらも仕事なのです。そして、どちらかと言うと、ジムに行く時間の方が、質問者さんの仕事に近い。なぜなら、ジムに行くのがとても嫌だから。嫌だったら、行かなきゃいい。皆さんそう言います。でも、そういうわけには、いかないのです。なぜなら仕事をするのに、体力が必要だから。

プロ野球選手がジムに行くのは仕事です。体力や筋力を付けないと、仕事が出来ないから。私だって同じです。嫌だけど、やるしかないのです。

休みか仕事かではなく、好きか嫌いか

一番困るのは、ジムでこの質問をされること。私は毎週日曜日にジムに行きますので、当然「日曜日は休み」ですよね?となるのです。「いえ、これは仕事です」とは言いにくい。別に言ってもいいのですが、多分理解されないでしょう。小難しい安田理論を解説したところで、到底会話は噛み合いません。

そもそもジムの人は、そんな小難しい話をしたい訳じゃない。単なるあいさつ、社交辞令として、土日は休みですか?と聞いているだけ。だから私も適当に答えます。「はい、休みです(あなたの常識では)」と。でも心の中では、葛藤があるわけです。だって自分では仕事だと思っているので。

休みなのか、仕事なのか。正直言って私の中には、その区分はありません。好きな時間と、好きじゃない時間。お金に直結する時間と、直結しない時間。それが私の時間区分です。マンガを読んでいても、旅行をしていても、仕事のネタを閃くことはあります。まったく仕事(報酬)に繋がらない時間など、私には作りようがない。でもそれを仕事とは言いたくないのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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