働き方

2018年の新入社員は“スマートスピーカー型”

投稿日:2018年3月28日 / by

本家は終了したが、エン・ジャパンが適性テストの結果から分析

毎年、新入社員が入社するこの時期に発表される「新入社員の特徴とタイプ」。残念ながら日本生産性本部による発表は、平成29年度で終了した。「ちょっと強引」、「意味ないのでは…」と、時代とともに辛辣意見も増えていたが、ひとまず一定の役割を終えたということだろう。

不思議なもので、なくってしまうと寂しさもある。だが、入れ替わるようにエン・ジャパンが、2018年度の新入社員の特徴などを「3Eテスト」から判定。新卒採用での500人の受検者から、その輪郭をあぶりだしている。

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調査手法の違いなどもあり、単純比較はできないが、“本家”ならどう処理をするだろうか。独断で、“2018年版”を考えてみた。ズバリ、「スマートスピーカー型」だ。同社がはじき出した2018年新入社員の特徴は「慎重に空気を読み、出る杭になりたがらない」。具体的には、仲間内での交流は得意なものの、しっかりと関係性が築けるまでは自ら進んで発信することは苦手。出る杭になりたがらず、場の空気を慎重に読み、調和を保つことに長けている――。

「アレクサ」や「OK、グーグル」と呼びかけるまでは、存在すら消すようにおとなしいスマートスピーカー。それがひとたび、ウェイクワードで呼びかけられれば、発話者にしっかりと対応。的確に回答する。決して、でしゃばることなく、質問の範囲から逸脱することもなく、分からなければ、素直に謝罪。次回での成長まで約束する。昨秋に発売されるや、一気に広がったスマートスピーカー。その特徴は、2018年の新入社員の特徴とそのままシンクロするではないか。

瓦版独断で“スマートスピーカー型”に決定したが…

もっとも、本家に代わり、独断でひねり出してみたものの、やはり強引とも感じる。もっと的確な例えもできそうだが、時流に絡めるとなるとどうしても無理が生じる。振り返れば、本家も初代は、「パンダ型」で始まり、「ムーミン型」、「カモメのジョナサン型」と3回目までは、まだ普通だった。ところが、1976年の4回目、たいやきクン型あたりから、時流に絡める強引さがあふれ始めている。2012年の「奇跡の一本松型」は便乗も甚だしい、“愚作”だった。

さて、話を新入社員の特徴に戻そう。同社の調査では、こうしたタイプの育成ポイントも提示。それによると「上司や指導役の社員は、新人のコンディションを把握する時間を、日々意図的に作ることが重要。自主的に報連相ができるようになってきたら、苦手を克服しはじめた兆候。行動の変化を承認・賞賛し続けることで、次第に自ら率先してアクションできるようになる」と助言している。

それにしても、年々軟弱になっている印象の新入社員。空気を読んで自己主張もせず、しかもプライベート重視。30年前なら確実に“窓際族”一直線のタイプだが、時代は変わった。「これじゃ日本の将来が心配だ」。ついそんなことを考えるミドル以降世代の空気もしっかり読み取る新入社員は、「あんたらが満喫したバブルのつけは全部私たちが受け止めます」と口にも表情にも出さず、マイペースで淡々と仕事をこなしていくのだろうか…。

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