働き方

新入社員の意識に透ける働き方改革と企業存亡の行方

投稿日:2018年5月8日 / by

お毒 あ~だるい、眠い、帰りたい。やっぱりこの時期は、心身のバランスがうまくいかないわぁ。

猫田先生 なんだよ、それ。実際にそうだとしても、口にも顔に出すなっ。社会人として、最低だぞ。

編集部ニシ その通り! 職場にはネガティブ要素は持ち込まないでください。それでなくても、新社会人の労働意識は、低下傾向なんですから。

お毒 若者もやってられないって子が多いんでしょ、やっぱり。だって、頑張っても全然報われる気がしないんだもの…。

編集部ニシ そういうワケではないでしょうが、昔に比べると特に忠誠心の部分が下落している印象です。トーマツイノベーションが2018年度入社の新入社員を対象にキャリアに対する意識調査を行っています。(n=4,863人)。それによると、いまの会社で働き続けたい人は53.8%で3年連続の減少。定時に帰りたいは、42%で4年連続で増加。過半数に迫る勢いです。

猫田先生 捉え方にもよるけど、長く世話になるつもりはないから仕事は定時でサクッと終わって、自分の時間を確保したいって感じが透けて見えるな。1世代前は「24時間戦えますか」も、冗談に聞こえないほどモーレツ社員が多かった印象なのにな。

お毒 頑張った分、リターンがある時代だったから成り立った理屈よ。見返りがあってこその忠誠心でしょ。そもそもいまの子は、自分の親が、景気の下り坂の世代。だから、なんとなく先が見えちゃってるんじゃないかしら…。

毒舌家

編集部ニシ 必ずしもやる気がないというわけではないんです。今後のキャリアについては、専門家になりたいが33.4%でトップ。管理職になる(24.8%)を抑え、5年連続トップをキープしています。つまり、会社という枠組みでなく、個人としての成長や将来を見越しているんじゃないでしょうか。

へん0

お毒 賢明ね。管理職を目指してなれるとは限らないし、会社だってその時まで勢いがあるかは分からない。だったら、専門家として、それなりのポジションにいれば食いっぱぐれることはないからね。

猫田先生 こういうご時世だから現実的にもなるわな。でもこういう若者の志向と働き方改革をすり合わせてみると、重なる部分が多いんだよな。長時間労働是正や副業解禁なんかは、この調査結果で浮かび上がる新社会人の意向とうまい具合にマッチするもんな。その意味では、働き方改革は時代の必然といえるのかもしれな。

編集部ニシ それを裏付けるように調査では、上を目指している人ほど、スキルアップのための勉強をしている結果が出ています。働き方改革以前に、今後は人口減少やAIの台頭で仕事の質や中身が大きく変わっていきます。そうした変化に柔軟に対応できるチカラは、忠誠心なんかよりもよっぽど重要になります。働き方改革も含めた、いまの職場周辺の動きを俯瞰的に捉え、行動を起こすことは、これからの時代をスマートに生きていく上でもとても重要になってくる思います。

お毒 すっかり眠気が吹き飛んだわ。あたしもいいオトコ研究家としてまじめに勉強しなきゃ。

nekodaBup猫田先生 それにしても、会社って何なんだろう、って結果でもあるな。会社が、当座生活していくための金を稼ぐ場所、くらいにしか思われないようなら、経営者もさみしいだろうし、そんなんじゃ、イノベーションなんて起こり辛えだろうよ。やっぱりそこにやりがいがなきゃ、いい人材は採れねぇだろうし、活力もうまれてこない。これからの会社は、いかにそうした場としての魅力を持てるかが、存続のカギになってくるんだろうな。

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