副業ブームって本当? 実態調査でみえてきた意外な実状
瓦版三者三様
お毒 なんだか疲れが全然取れないのよね。考えてみたらもう10年休んでないわよ。本業が休みの時は、副業でしょ。シゴト、シゴト、シゴト…。貧乏暇なし、休みなし。あぁだるい…。
猫田先生 生活費を稼ぐために副業、となってくると精神的にキツイわな。手軽に楽に稼げるならまだいいけど、よりによって副業で肉体労働なんだから、稼ぐ以上に疲れにいってるようなもんだろ。
編集部ニシ その点については、エン・ジャパンが正社員3,111人を対象に副業について実態調査を行っています。それによると、副業に興味がある人は、88%。その理由については83%が「収入を得るため」で、2位の「自分のスキルアップのため」(22%)を大きく引き離しています。理由についてはお毒さんみたいなひとがほとんどいうことですよ。
お毒 やっぱりね。働けど働けど給料は増えず、働き口を増やすしか、収入増にならないんだもの、あぁ虚しい…。
編集部ニシ ちなみに、実際に副業経験のある人は32%で、興味がある人の割合と比べると少な目ですね。経験した副業は、接客や販売などのアルバイトが59%で他を引き離しています。
猫田先生 本業で何をやっているか分らんけど、副業では特別な専門知識が必要なことはやっていない印象だな。本当に収入を得るため、と割り切ってる感じだよな。せっかくの休みを削ってさ。
ニシ といっても実態としては、週に5時間未満が60%で、月収は約半数が月5万円未満。印象としては、手軽にちょこっとお小遣い稼ぎというところでしょうか。
お毒 月5万未満じゃ、全然足りないわよ。同じ副業でも切実感がまるで違うわね。あたしみたいな万年自転車操業の自営に比べりゃ、会社員は恵まれてるわね、うらやましいわ。
猫田先生 恵まれてるようみえる会社員の雇用主、つまり企業はなぜ副業を解禁したのか…。表向きには外部の空気を吸って、自社に還元することで改革につながれば、といったことをいってるが、いつまでも面倒見れる保証はないぞ、という遠回しのメッセージもゼロではないだろうな。悪い意味ではなく、社員の可能性を広げるという意味だぜ。終身雇用なんてとっくに終わっちまってんだからよ。
ニシ 実はこの調査では副業を認めている企業は13%。逆に認めていない企業が55%なんです。後の32%は「分からない」ですから、副業解禁といっても、実態としては、意外に副業への流れはまだ弱いのかもしれません。調査結果でも週5時間未満が6割ですし。ただ、やりたい、という興味のある人はたくさんいて、そこに副業解禁というトレンドが絡んで、なんとなくムードだけが盛り上がった。それが“副業ブーム”の実態かもしれませんね。
お毒 いいわね、会社員はお気楽で。あたしなんてやりたくないのにやらざる得ないんだからさ。だれか副業を法律で禁止にしてくれないかしら…。