働き方

ハラスメントがなくなりにくいシンプルながら重大な理由

投稿日:2018年6月19日 / by

ハラスメントが減らない理由

職場でのハラスメントが問題になるケースが増大している。増えたというより、これまで表面化してこなかったものが、被害者側の意識変革などで顕在化してきたというのが実状だ。対策するのではなく、自分の身は自分で守る。そんな風潮への変化が背景にあるといえるだろう。

ハラスメントが蔓延する元凶のひとつに本人が「気づいていない」ことがある。パワハラ常習者は自分の言動が、部下を苦しめているとは感じていない。セクハラもしかりだ。薄々は気づいているとしても、最後は無意識に他者を傷つける。もしも、 “加害者”に気づく機会があれば、少しはハラスメントも減りそうなものだが…。

タニタが2018年7月1日に新発売するにおいチェッカー「ES-100」は、体のにおいの強さを見える化する、測定ツールだ。わずか10秒で、気になる部分のにおいを判定するスグレモノ。これを使えば、スメハラの“加害者”が、周囲への“被害”を実感でき、無意識な職場の空気汚染を回避できるというワケだ。

使い方は至ってシンプル。センサー部を開き、首回りや頭部、ワキなど、気になる部位に約10秒センサーを近づけるだけ。すると、においの強さを0~10の11段階で判定する。レベル5を超えると「においケア」が必要な警戒サインだ。これで、自身のにおいを認知できるので、無意識な職場汚染の抑止に少しは貢献するはずだ。

におい可視化でスメハラ対策は大きく前進する

においのエキスパート、東海大学理学部化学科の関根嘉香教授が指摘する。「人間は自分の体臭には気付きにくいんです。なぜなら、もしも臭くても慣れてしまうから。だから、見える化は重要です」。つまり、同製品は、スメハラ撲滅のサポートツールとして有効であるということだ。

もっとも、スメハラはなにもいわゆる体臭だけの問題ではない。強すぎる香水や柔軟剤のにおいも、人によっては不快に感じる。それを踏まえ、同製品は、いわゆる体臭と香水などのにおいを区別せず、あくまでもにおい「濃度」を判別する。良かれと思ってつけた香水でも、人によってはスメハラになる。そうした意識を植えつける意味でも、においの可視化には意義があるといえるだろう。

体臭軽減のための7つのポイント

では、もしも体臭がキツイ場合どうすればいいのか。いわゆる体臭系では、加齢臭、汗臭が代表的だが、疲労臭というにおいもある。これは過度の緊張状態で出やすいといわれ、職場の環境がもたらすにおいといえる。いずれもある程度の対策は可能だが、関根教授はにおいが出やすい人の生活習慣として次の7つを挙げる。

お酒をよく飲む。肉や魚をよく食べる。エアコンの効いた部屋で長時間過ごす。あまり運動をしない。喫煙する。心配性だ。夜更かしが多い。しっかり体を洗わない。思い当たる人は、これらの内のひとつでも意識して避けるようにすれば、スメハラ対策の自己防衛につながることになる。

体臭がきついことを自覚して、香水などで過剰にマスキングする。あるいは、体臭がない人がエチケットとして香水をする。どちらの場合も、対策のつもりがスメハラを誘発する可能性があるのだから、なかなか大変ではある。それでも、こうした配慮こそが、ハラスメント撲滅への第一歩につながる。とはいえ、それ以前に、本人が自発的ににおいチェックを行ってくれるのか。そうでない場合、どうやって使ってもらうのか。せっかくの便利ツールだが、これが実は由々しき問題かもしれない…。

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