働き方

100年先を見据えた斬新なプロジェクトが激変中の渋谷で大展開

投稿日:2018年7月5日 / by

コンセプトは「100年先の世界を豊かにするための実験区」

水産養殖と水耕栽培をかけあわせ、魚と植物を同じ環境で育てる農法

100年に一度の再開発で、日々変貌を遂げる東京・渋谷の街並み。そのど真ん中でいま、「100年先の世界を豊かにするための実験区」というコンセプトのもと、次代を担う若者とともに新しい価値創造に取り組む活動が行われている。その名も「100BANCHI」。いずれも先鋭的で斬新なものばかりだが、瓦版では働き方や生活にパラダイムシフトを起こしそうな注目の2つのプロジェクトをピックアップする。

不動産から可動産へのパラダイムシフトを見据えたプロジェクト

「不動産に対して、『可動産』というひとつの形、新しい未来の可能性を社会に示す」。プロジェクトの目的をそう明かすのは、aoieでCEOを務める青木大和氏。内容はズバリ、移動式住居による時間にも場所に囚われない、自由気ままな働き方の追求だ。

BUSHOUSEで移動と生活と仕事の融合を目指す青木氏

拠点となるのは、移動式住居「BUSHOUSE」。29人乗りのマイクロバスがベースのキャンピングカーを、約500万円かけて職住を可能にする空間にカスタマイズ。4人が乗り込んで、約2か月(2018年9月出発予定)かけ、全国を巡回する。

突貫工事で職住空間へ改造中

「第一号では、実験的にいろいろとトライしたいと考えています。乗り込む人員は、媒体の編集長だったりで、どこでも仕事ができる人が中心になっています。移動しているプロセスをコンテンツ化するなどで、仕事に転換したりも考えています」と青木氏は展望を明かす。

働き方改革の浸透も後押しし、こうしたスタイルで自由気ままに仕事をする人も既に存在する。だが、青木氏が見据えるのは、さらにその先だ。「自動運転が実用化されれば、車が移動手段でなく、移動プラスアルファの空間となる。そうした時代を見据え、BUSHOUSEは車内の仕様も考えています。将来的には企業の研修や仕事を同時にあっせんする作業空間としての提供も視野に入れています」。

オフィスでの仕事は、すでにテレワークにシフトし始めている。職場=固定の場所という概念は進化しつつあるが、青木氏はすでに場所の概念を超越した新しい働き方に頭を巡らせている。移動しながら働く空間の最適化、それをビジネスへ展開する可能性…。まさに、次の100年を見据えたワークスタイルをBUSHOUSE第一号を皮切りに追求していく。

昆虫食の普及を正しく促進するためのプロジェクト

職ではなく、新しい食の追求をするのは、高橋祐亮氏。デザイン畑の人間ながら、昆虫食の可能性に魅了され、さまざまなアプローチでその普及活動を行っている。

乾燥コオロギ入りのシリアル。香ばばしくて普通においしい

「昆虫食というと食糧問題の文脈で語られるようにはなってきているが、まだまだゲテモノ食いのような目線で見られることも多い。そうした概念を覆し、食として魅力的であると認識されることが、食材として認知されるためには重要と考えています」と高橋氏。

プロジェクトでは、部位ごとのリサーチ、新しい食べ方の提案・制作など、昆虫食が食材になるための試行錯誤を行いながら、食としての魅力を研磨。まだまだ偏見の多い昆虫食を正しく議論するための多様なテーマを提示しながら、パラダイムシフト実現のベースの構築を目指す。

これぞ飲まず嫌い。見た目と味のギャップは最大級!

ちなみに、タガメ入りのお酒と乾燥コオロギをシリアルに混ぜたものを試食したが、驚くほどの美味。タガメはフルーティーでコオロギは香ばしくスナック菓子のよう。まさに食わず嫌いで、食として十分に魅力的だった。今後100年を見据え、昆虫食料理人という新たな“職”が誕生する日もそう遠くないかもしれない。

100BANCHIでは、未来へ向けた100のプロジェクトを展開する予定で、2つ以外にも墨字と点字が一体にが一体になった目でも指でも読める文字を社会に広めるプロジェクト、水産養殖と水耕栽培をかけあわせ、魚と植物を同じ環境で育てる農法など、まさにテーマ通り100年先を見据えたプログラムが揃い、現在67プロジェクトが活動している。プロジェクトは、随時公募を行っており、審査を通過すれば、その活動をサポートしてもらえる。

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