働き方

テクノロジー活用で生産性向上を実現するための7つのポイント【後編】

投稿日:2018年7月5日 / by

~業務効率化のエキスパートが指南~
最新ツール導入プロセスでやっておくべきこと

世はAI時代。最新テクノロジーを活用し、業務効率化を検討する企業も少なくないハズだ。そうはいっても、すでに具体的イメージが描けている企業はマイノリティーだろう。では、導入を前向きに検討している場合、そのプロセスで何をすれば成功の確度を上げられるのか。インタビュー後編では、実践編としてマッキンゼー・アンド・カンパニーを経て株式会社サイシード創業後、100社以上の業務効率化/ツール導入に携わる業務効率化のエキスパート、サイシード・中村陽二社長に導入前にやっておくべきことを聞いた。

前編→最新ツール導入で失敗しないためのスタンス

ベンダー選びに時間を割く

前編での指摘のように担当者レベルがツール導入にあたり、その技術トレンドを見極めることは確かに重要だ。そうはいっても、技術的知見を深めるには限界がある。そこで、重要になるのがベンダー選びだ。ツールに近いところにいる人間だけに、担当者にとっては頼もしい存在となることはいうまでもない。とはいえ、その選び方を間違えると、自らの首を絞めかねないので注意が必要だ。

「ベンダー選びのポイントを端的にアドバイスするなら、コンサル的視点をしっかりと持っていることといえます。つまり、サービスを点でなく、線、さらには面で提案できる知見と、商品力を持っているベンダーがおススメということです。そうしたベンダーならテクノロジー導入に伴う人員適正や配置、さらには技術トレンドの情報フォローなどでも力になってもらえるでしょう」。売ることしか考えない、価格訴求が最大のセールスポイント。少なくともそんなベンダーは、問答無用でお払い箱にしたほうがよさそうだ。

人間関係を円滑にする

意外かもしれないがテクノロジー導入で業務効率化を実現する場合、人間関係の“整備”が重要となる。テクノロジー導入でなぜ、人間関係なのか…。その理由を中村社長が明かす。「業務の効率化や生産性向上のためにテクノロジーを導入するということは、人間が得意な領域とロボットが得意な分野に業務を整理するプロセスが発生してきます。その際、個人のタスクを細かくヒアリングする必要が出てきますが、そこには強い信頼関係が求められます。そこがブレていては、大きな反発が起こる可能性もあります。加えて、人間が得意な領域を伸ばすのに、職場の人間関係がギスギスしていては、マイナスにこそなれプラスはみじんもありません」。

テクノロジーで究極的に効率化を図ったとしても、そこにある人間の領域が不活性状態では、相乗効果どころか負の連鎖が起こりかねない…。テクノロジー全盛の時代だからこそのヒトの重要性。つい忘れがちだが、この視点を軽視してはいけない。

社員の幸福を最優先する

ヒト重視。それが、テクノロジー活用による生産性向上を実現する上で、最も重要な視点といえるかもしれない。中村社長が言う。「最新テクノロジーの導入においては、投資対効果を考えなくていいと言いましたが、導入によって社員が幸福になるかどうか。それは、これからの経営においても非常に重要な視点と考えています。感覚的な側面が強く、数値化は困難ですが、判断は社員の反応でいいと思います。快適になったという声が多ければそれで十分でしょう。稟議を通すのにどうしても数字が必要なら近似値で算出すればいい」。

働き方改革が浸透し、いまや職場では価値観も多様化している。縛るよりも開放する流れの中で、働く場所としての職場からいかに不快や不安を取り除き、社員のパフォーマンスを最大限に発揮させられるか。テクノロジーの導入だからこそ、より意識的にそこで働く人間への想像力を働かせることが重要になるということなのかもしれない。

いますぐやる

ではいったい、どのタイミングで業務改善のためのテクノロジーを導入すべきなのか。中村社長は即答する。「いますぐです。他社が導入して効果を発揮したが、自社ではどうかといった議論が延々とされることはよくあると思います。しかし、ことテクノロジー導入に関しては、そうした時間さえムダです。議論している間に他社はテクノロジー活用の恩恵で先へいきますし、そもそも技術が古くなる。導入にあたって準備期間も必要なことを考えると、検討している時間さえもったいない」。

決して、急かしているわけではない。日進月歩のテクノロジーの進化スピードは、会議室で流れる時間より何倍も速い。上記のポイントを踏まえた上で、すぐにやる、やってみる。それが、AI時代に求められる決断のスタンスであり、速度だ。(了)

前編⇒最新ツール導入で失敗しないためのスタンス


<プロフィール>
中村陽二 なかむらようじ
東京大学工学部、同大学院工学系研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーでM&A、成長戦略の構築に携わった後、株式会社サイシード創業。100社以上の業務効率化、ツール導入に携わった実績を持つ。HP:http://www.sciseed.jp/

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