働き方

やっぱり?約8割の会社員が“偽装目標”の設定経験アリ

投稿日:2018年9月7日 / by

HRBrainのアンケート調査で判明

「今期の目標は、前年比130%増です」。とは言ったものの……。上司との面談を前に“その場しのぎ”の目標設定をしたことがある会社員が約8割に上ることが判明した。HRBrainが一般社員600人を対象に行ったアンケート調査で分かった。

HRBrain調べ

会社員の多くは、自身の業務に対し目標を設定する。今期の目標、今年の目標、来期の目標…。もっとも、たいていは上司の指示を受けた受動的なものだ。もちろん、主体的に目標設定する人もいるだろう。だが、残念ながらそれは少数派という印象がある。

今回の調査結果は、そんな推測を裏付けるに十分な根拠といえそうだ。まず、個人の目標設定をしている人はどのくらいいるのか。割合は、49.2%。意外に少ない印象だが、これは企業規模の大きさに相関する結果となっている。企業の規模が小さいほど目標設定している率が低い。これは企業規模が小さいと個人への業務負担が大きく、目標設定まで手が回りづらいことと無関係ではないだろう。

その目標設定については、「よくある」「たまにある」を合わせ、なんと78.3%が“その場しのぎ”を白状している。上司に求められたからしている、という受け身の姿勢だから目標へのこだわりが薄いというのが、その要因と考えられるが情けない限りだ。目標だから当然、成長を見込んだものが設定されるだろうが、これを台無しにする調査結果も出ている。

お粗末すぎる目標への意識

目標に対する意識に関する回答だ。なんと査定時や面談の場合のみ意識しているが45.8%。さらに18.3%は目標を意識していない、または覚えていないと回答している。せっかくの目標も6割以上が設定しっぱなしというのだからお粗末だ。

そもそも、目標は能動的にしてこそ意味がある。それを考えれば、上司の指示の下でやる時点でほとんど意味がない。とはいえ、主体的に目標設定するような風土つくりは簡単でない。ここに組織運営の難しさがにじみ出ている。

HRBrain調べ

なぜ目標への意識が薄いのか。調査ではそこにも踏み込んでいる。最も多かったのは、「振り返るタイミングがないから」が46.6%。僅差で面談のためだけの設定だから(42.9%)。そして3位には目標に納得いっていない、機能していないと感じているから(27%)となっている。この結果からは会社員がそもそも上からの指示による目標設定に意味を感じていないことが鮮明に浮かび上がる。

昨今は仕事へのスタンスとして、夢中になれることの重要性が説かれている。つまり、仕事は生活のためというだけではモチベーションはキープできないということだ。ましてや人生100年時代といわれる中で、いわゆるやらされ仕事では早晩息が詰まるのは目に見えている。生産性が低いといわれる日本の職場。その要因は様々だが、この調査結果はそれらの根底に近い部分に蔓延する日本企業が抱える課題が凝縮されたデータといえそうだ。

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