働き方

テキストデータを分類し、大幅な業務効率化を実現するAIサービス

投稿日:2018年9月28日 / by

<本当に必要なのか? 間違えたくないビジネスAIツール選び>

AIツール図鑑vol.4

昨今、AIの導入を検討している企業は少なくないだろう。とはいえ、何をどうしたらいいのか分からないというのが実状かもしれない…。コスト面がネックとなり導入に踏み切れない、あるいは人間を打ち負かす能力があるというイメージが強すぎ、別の意味で導入を躊躇する企業もあるだろう。ここでは最新のAIサービスを紹介しつつ、その導入ポイントを軸に失敗しない人工知能へのアプローチの道を探る。

人の目利きに依存せず大量のテキストデータを自動分類

(株)TMJが販売を開始した「i.C.text」は、人の目利きに依存せず、大量のテキストデータを自動分類するBPOサービス。AIを活用し、テキスト内容を判別。熟練者が行うレベルの分類を自動化することなどでデータ分析を高速化(下図参照)し、大幅な業務削減を実現する。

具体的にはテキストを内容ごとにタグで分類し、データとして活用しやすい形に処理。企業は、これをもとに顧客対応やマーケティングなどの戦略立案に応用する。すでに導入済みの企業事例では、校閲作業で同ツールを活用し、表記の適正を判別。人がチェックすべき内容か否かを見極めることで、処理の優先順位付けをし、3割以上の業務削減を実現しているという。

さまざまな業種での活用可能な汎用AI

汎用性の高い同ツールは、校閲以外にもさまざまな業種での活用が可能でAI活用で業務効率化を検討する企業の期待に応え得るポテンシャルがある。コールセンターでの音声をテキスト化したデータ、SNS投稿、人事データなど、大量に蓄積されたテキストデータをAIが高速かつ高精度に分析。マーケティングやHRテックへの応用など、使い方次第で業務の効率化や事業推進に大きく貢献する。

だが、実はここに企業のAI活用の悩ましい壁がある。そもそもAIで重要となるデータがあるのか、あっても使えるのか、はたまた今は使うフェーズでないのか…。これら判断を的確に行える社内人材がいる企業がまだ少数派という実態だ。AI黎明期ゆえの課題だが、導入における、ある意味の最大のボトルネックともいえるだろう。

「いかに機能を伝えるかはわれわれにとっても課題ではありますが、AIは技術的に各社の差がそれほど大きくはありません。ですから導入を検討するにあたって重要になるのは、前後におけるフォロー体制やノウハウになると考えています。その点で弊社は、2016年からコールセンターでの顧客の声を分析し、戦略策定に応用するなど実績とノウハウがあります。それらも含めたサービスとして提供できる点が強みとなっています」と同社は説明する。

分かる人と“セット”で導入するのがAI導入で失敗しない肝

興味はあるが、どこから手を付けていいのか分からない…。こうした企業は、AIで実現できることへの関心も大事だが、まずはベンダーがサービスに付随するビジネスへの実装実績やノウハウを持っているか否かを重視するのが賢明といえるだろう。その上で、導入しながらベンダーをパートナーに二人三脚で煮詰めていき、最適化を目指す。それが結局はAI導入成功の近道になる。

とにかくまず導入し、効果検証する。昨今はこうしたニーズも少なくないことから、同社でもPOC(概念実証)に対応したスポット契約プラン(120万円~:2か月間~)を設定。導入における有効性の把握、費用対効果の試算をした上で、本格導入へ踏み出すことが可能となっている。

◇導入のポイント

黎明期にあるAI。ニーズは増大しているものの、まだその実態をビジネスへ応用するレベルまで把握できている企業が少ない実状もある。とはいえ、使うほどに進化するのがAIの特長でもある。逆にいえば、使わなければ、そうでない競合との差はどんどん広がる。徒にトレンドに振り回される必要はないが、AI時代に乗り遅れないためには、会議を重ねるよりも考えながら進むのが失敗を最小化する意味でもスマートといえるのかもしれない。

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