働き方

なぜ思考を共有すると時間を最大化できるのか

投稿日:2018年11月19日 / by

変人・安田の境目コラム

考えをまとめ発信する本当の価値

私はかつて、新卒採用について考えました。毎日毎日考えました。例えば次のようなこと。企業は何のために新卒を採用するのか。新卒採用にはどのような価値があるのか。なぜ新卒でなくてはならないのか。そもそも新卒とは何なのか。

来る日も、来る日も、新卒のことばかり考えていました。それは新卒採用という商品の価値を高めるため。もちろん価値は人によって違います。ある会社にとってはこのような価値がある。ある社長にとってはまた別の価値がある。ある先輩社員にはこんな価値もある。

あなたにとっての価値は何か。それを考え続けたわけです。その結果、一冊の本が出来上がりました。「できる人・できない人」という本です。本とはひとつのテーマに関する連続した思考なのです。

途中で思考が途切れていたら、それは本にはなりません。繋がっているから、途切れていないから、価値があるのです。

プロセスを共有することで時間価値が化ける

本が売れ、私の思考が広まりました。思考を共有した人たちは、その続きを考え始めます。では私(我が社)はどうしたらいいのか、と。考えても、なかなか答えが見つからない。自分の答えが正解かどうかわからない。そういう人たちが相談に訪れます。私は話を聞いて、アドバイスをします。

たとえ10分のアドバイスでも、相手は価値を感じてくれます。それは私のアドバイスが、単なる思い付きではないことを知っているからです。本を読んだ人にとって、私のアドバイスは本の内容と繋がっているのです。本に書かれている私の思考の流れ、その延長としての10分であると。

今、私はメルマガやポッドキャストで、自分の思考を公開しています。これも理屈は全く同じなのです。単なる思い付きではないことの証明。膨大な思考のプロセスを共有する。すると私の時間への評価が変化します。連続した思考の先にある時間。その認識が、たったの10分を価値ある10分に変えるのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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