働き方

買わない理由の先に拡がる、手つかずの市場

投稿日:2018年11月26日 / by

変人・安田の境目コラム

採用ビジネスで「採用しない会社」に狙いを定めたワケ

まだ無い市場。潜在マーケット。私はそこが大好きです。なぜなら競争しなくてもいいから。新卒採用事業でも、私はひたすらそこを狙っていました。日本には400万社ほどの法人があります。でも新卒採用をやっているのは、その内たったの3〜4万社。
採用を生業とする会社は、当然その4万社に狙いを定めます。採用計画も、採用予算も、確実に持っている会社だから。当然といえば当然なのですが、そこでは熾烈な戦いが生まれます。

当社の方が便利です。当社の方が安いです。当社の方が優れています。他社よりも何が優れているのか。早いのか、安いのか、便利なのか。その競争に勝つことが、会社の業績に直結しているのです。

私は元来競争が嫌いです。勉強でも、運動でも、喧嘩でも、競争して勝った経験がないから。だから競争しない方法を考えました。

これは嘘みたいですが本当の話です。私は「採用しない」という会社に、ターゲットを定めたのです。ニーズがないけど、競合もいないから。採用する会社には、採用する理由があります。では採用しない会社には、採用しない理由があるのか。

採用しない企業の驚きの理由

結論から言えば、そこに明確な理由はなかったのです。ではなぜ採用しないのか。それは「採用する理由」がないからです。自分にとってそれは大きな発見でした。理由がないから採用しない。だったらその理由を作ればいい。そのように考えたわけです。

今でも私の仕事は変わっていません。採用の仕事はやらなくなりましたが、やっている事はほとんど同じす。すなわち、買う理由を作り出すこと。私は、私の欲しいものを買う。私にとって必要なものを買う。当たり前の話ですよね。

でも実は、多くの人は私には何が必要なのか、私は何が欲しいのかを、知らないものなのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

 

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