
インターンシップ参加者の獲得競争激化の中、知名度の低い企業はどうすべきか
ベンチャーCHROの戦略的JINJI論
就職活動とインターンシップの変化
今回は大学生のインターンシップについて述べたいと思います。ご存知の通り、経団連の就活ルール廃止の意向表明については新卒採用市場に大きな動揺をもたらしました。ただ、経団連の意向表明前から、大学生を対象としたインターンシップ参加者の獲得競争が激化しているのはご存知でしょうか?
背景としては、経団連が2017年のインターンシップから日数規定を廃止したことが考えられます。それまで「インターンシップは5日間以上」とする日数規定がありました。そもそもインターンシップは就労体験であり、ある程度の日数がないと、その目的を果たせないと考えられていたためです。
しかし、日数既定の廃止に伴い1dayインターンシップが実質可能となり、大手企業も説明会解禁前にたくさんの学生と接点を持つ機会創出のため、各社様々なインターンシップを実施するようになりました。
これにより、意欲のある学生がこぞってインターンシップに参加。それが当たり前になり、今では11月時点でインターンに参加した経験のある学生は80%を超えるほどになったそうです。実際私自身、自社のインターンシップを実施していても、学生の獲得競争が激化している現状を身をもって感じています。
ここで課題になるのは、知名度の低い企業のインターンシップ集客の難しさです。どうしても人気企業への学生一極集中となりがちだからです。インターンシップを実施する企業が増えると学生がインターンシップを吟味するようになる。結果、人気企業に応募が集中するようになるのです。
さらに人気企業は集客が容易にできる為、今年は1dayのインターンシップではなく、ミスマッチを防ぐため、2days以上のインターンシップを実施するようになりました。それによって、知名度の低い企業は一層集客が難しくなり、そもそも人が集まらないケースさえ出てきました。従って、知名度の低い企業は2days以上のインターンシップを実施したくても諦めざるを得ず、比較的集めやすい1dayが多くなるわけです。
苦境の低知名度企業が取るべき集客戦略とは
では、この苦境にどう向きあえばいいのでしょうか?私の考えとしては、数を追わないことです。大切なのは社長や経営幹部が採用にコミットすること。適切なターゲットに対し、適切なインターンシップを実施し、地道に熱意をもって採用活動を行う。このことに尽きます。
ところが、実際のところ、この基本とも言うべきことが意外とできていない会社が多いのではないでしょうか? どうしても集客数ばかりに目が行ってしまうもの分かります。とはいえ、本来、知名度の低い企業にも各社特徴や魅力があり、それにマッチした学生はいるはずです。
自社の特徴や魅力、ターゲットのペルソナ設定など、明確にアウトプットできる状態でしょうか?それらができていれば、集客数に固執せずに済むハズです。社長や経営幹部が採用にコミットし、少数でも密度の高いコミュニケーションを地道に熱意をもってとる。そうすれば会社の魅力はしっかりと伝わり、きっと理想の学生が入社してくれるでしょう。
社長や経営幹部の採用に対するコミット、そして自社分析は非常に重要です。再度見つめなおしてみてはいかがでしょうか?(談)
