人口減少時代の正しい社員の扱い方
<変人・安田の境目コラム>
社員は“嗜好品”である
社員は嗜好品である。そう割り切ればいいのです。嗜好品だから高くてもいい。嗜好品だから好きな人を雇えばいい。嗜好品だから見返りなんてなくていい。そういう割り切りが必要な時代なのです。
1本20万円のパターとか、古伊万里の骨董の皿とか、数十万円もする自転車とか、そういうものと同じ扱い。パターを愛でるように、古伊万里の皿を愛でるように、高級自転車を愛でるように、社員のことも愛でる。いくら愛でても、パターは何もしてくれません。いいスコアを出してくれたりはしない。古伊万里の皿だって、自転車だって、何もしてくれない。
でも社員は違います。会社を愛してくれるかもしれないし、社長を尊敬してくれるかもしれないし、仕事だって頑張ってくれるかもしれない。社員とは心をもった嗜好品なのです。
でも決して必需品ではない。その扱い方がとても大事なのです。
社員=必需品と考える経営者は危ない
社員が必需品だと考えている経営者。それは時代を見誤っています。今や社員は必需品ではなく嗜好品なのです。そこを決して間違えてはいけません。
社員を必需品扱いすると、大変なことが起こります。まず、社員が集まらない。すぐに辞めてしまう。まったくやる気を出さない。仕事なんて頑張らない。でもそれは社員が悪いのではありません。悪いのは扱い方を間違えた社長さん。
必要だから仕方なく雇うとか。壊れず長持ちして当たり前だとか。金払った分きちんと働けとか。そんな必需品扱いはお断りします!
嗜好品として雇う。嗜好品だから好きな人を選ぶ。嗜好品だから大切に扱う。嗜好品だから見返りは求めない。嗜好品だからいるだけで嬉しい。これが正しい社員の扱い方。
それでも社員を採用しますか。それとも採用やめますか。今はそういう時代なんですよね。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2014年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。