働き方

職場変革に成功する企業に共通する社員ファーストの効用

投稿日:2019年2月14日 / by

職場を盛り上げる取り組みの受賞企業の共通キーワード

ジョブシェア、バリフラット、日報全返信、退職者ヒアリング、年1回海外渡航、離職率100%…。これらは、職場を盛り上げる取り組みを表彰する「第5回GOOD ACTION」(2019年2月13日:リクナビNEXT主催)の各受賞企業の“キーワード”だ。

グッドアクション2019バラバラに見えるこれらワードには共通項がある。個への意識だ。例えばルバートのジョブシェアは、社員が全員が子育て中の時短社員。そのやりくりのために生まれた仕組み。ISAOのバリフラットは階層をなくすために情報格差をゼロにした組織づくり。はるやまの退職者ヒアリングは、辞める社員の理由から辞めない組織作りするためのヒントを探るために実施されている。

CaSyの日報全返信は、なんとキャスト約5000人分に及ぶ。まさに個へのケアを象徴した取り組みといえるだろう。こっからの海外渡航はメンバー6人に対しての年一回の海外渡航制度。事業開発と自己開発が目的とは言え、経営が心配になるほどの寛容さだ。離職率100%を掲げるMapleSystemsも狙いはあくまで社員の成長。6つの企業は、こびるとは言わないまでも個との向き合い方へ一歩も二歩も踏み込んでいる。

企業が個への対応を重視すべき理由

なぜ各社はここまで、社員ファーストにするのか。春山の竹内愛二郎氏は「辞めるにしても個々の理由の中に回避するヒントが隠れているかもしれない」といい、ルバートの谷平優美氏は、「時短勤務でも誰もが高いパフォーマンスを発揮できるようにしたい」と打ち明けた。ISAOの場合は、62か月連続経常赤字という深刻な業績悪化が引き金となった。要するに、現状では経営が回らなくなるリスクに危機感を感じ、従来の常識とは逆方向にかじを切ったのだ。

グッドアクション2019受賞企業働き方改革の初期は、残業禁止や休暇取得促進など、多数に対し一律に機能する制度が目立った。徐々に多様性を意識した個々へ向けた制度や仕組みも増えてきたが、そのプロセスで浮き彫りになったのが、個のポテンシャル最大化の重要性だ。どんなに制度を練り上げても、個が力を発揮できなければ絵に描いた餅。そこで、リスクに敏感な企業から率先し、しっかりと個と向き合い始め、その定着や最大化の実現を目指した。

30年前なら社員に甘すぎる制度として、上層部に一蹴されていただろう。だがいまや、かつての成功法則はさび付き、むしろそのままでは生き残れないほどに社会構造は変わった。新たな仕組みや組織作りに取り組まなければ、経営が回らないどころか、核となる社員すら集められない。もはや改善レベルでは追い付かず、変態することが求められる。

藤井薫リクナビNEXTの藤井薫編集長が、そんな時代の処し方を解説する。「もはや企業は終身雇用は難しい時代。会社を辞められてもつながりを保てる“終身信頼”を築くことが大切になってくる。また、組織においても上を目指し出世するのではなく、世に出ても活躍できるよう支援する姿勢が求められる。上司でなく同じ目線でサポートする“横司”といったところでしょうか」。

平成最後となった第5回GOOD ACTION。個に意識を向けた企業が選出されたことは、決して偶然ではなく、職場にも大きな変革が求められる新たな時代へ向けた必然と言えるのかもしれない。

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