働き方

若い頃の物欲はどこへ行ってしまったのか…

投稿日:2019年2月25日 / by

<変人・安田の境目コラム>

世の中の空気はどうやって変化するのか

若い頃は欲しいものが沢山ありました。ポルシェも欲しかったし、ヴィトンのバッグも欲しかったし、ブランド物の服も靴も財布も、何もかも手に入れたかったのです。

フェラーリものが増えるとクローゼットに入らない。だから収納を増やすために引っ越す。新しくできたスペースにまた詰め込む。どんどんものが増えていく快感。それがいつの間にか不快感に変わりました。

持てば持つほど嬉しい時代から、適度に持っていれば満足な時代になり、今はできるだけ持たないことが快適な時代。歳をとったからでしょうか。いや、何か違う気がします。

まあ歳をとったのは事実ですけど。それだけが理由ではない。世の中の空気みたいなものが、変化したのだと思います。

世の中の空気。それって一体何なのでしょう。たとえば全員が右を向いている。それが左に向きを変える。そんな感じ。

一人一人の動きは些細なもの。ちょっと首をひねるだけ。何人かが反対側を向いて、それにつられて他の人も向きを変えて、やがて全員が反対側を向くようになる。

空気の変化は進化なのか…

たったそれだけのことなのです。でも人類が見ている方向が180度変わる。景色も変わるし、感覚も変わる。価値観も変わる。それが空気が変わるということ。

全身ルイヴィトンのおじさんは、確かに昔はカッコ良かったのです。似合わないアルマーニも、フランクミューラーも、身につけているだけでカッコ良かった。

今それがカッコいいのは、すごくお洒落な人か、背の高い男前の芸能人か、イタリア人だけ。普通のおじさんはカッコ悪い。

向きが変わったのです。それで景色が変わった。同じものが違って見える。ポルシェも、ヴィトンのバッグも、ブランド物の服も、違ったものに見える。

これを成長と呼ぶのか、進化と呼ぶのか、あるいは退化と呼ぶのか、分かりません。ひとつだけ確かなのは、変化したという事実です。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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