働き方

人事領域のデジタル化で人材ミスマッチは減少するのか

投稿日:2019年4月17日 / by

評価のデジタル化で加速するチーム力向上

企業の急成長、激変する事業環境、入れ替わりの激しい社員…昨今、企業を取り巻く状況は、「目まぐるしい」がピタリとあてはまる。気のせいではなく、産業構造のシフトによって、旧態依然の仕組み/やり方では、すでに立ち行かなくなっている。抜本的変革なしに、この苦境を乗り切るのは、企業の大小問わず簡単でないのが実状といえる。

左からビズリーチ南社長、WILLER EXPRESS平山取締役、GA technologies樋口CEO

そこで求められるのが、デジタル化にかじを切るデジタルトランスフォーメーション(DX)だ。アナログからデジタル化を推進することで、作業を効率化。併せて無価値に近かったデータに価値を伴わせ、それにより経営変革を加速するというシナリオ。もちろんデジタル化は、しやすい領域もあれば、しづらい領域もある。だが、後者ほど実行に対するリターンは大きくなる。

人材領域でデジタル化を推進するサービスを提供する人材サービスのビズリーチがこのほど踏み込んだのは、人事評価だ。厳密に詰めれば百人百様の結果となり、上長によっても評価が異なるなど、一筋縄ではいかない領域。これまでにHRテックを加速するサービスとして「HARMOS採用管理」や従業員データベース「HARMOS Core」を投入している同社が、新たに人事評価サービス「HARMOS評価」として送り出すにあたり、着目したのは上司と部下の個人面談1on1だ。

「事業環境が目まぐるしく変化する昨今は、業務スピードに対し、評価のタイミング追いついていない現状がある。そこでHARMOS評価には業務の変化スピードに合わせ、リアルタイム・フィードバックをサポートする機能を搭載した。チームの成長サポートにつなげていきたい」と同社南壮一郎社長は説明した。

デジタル化は必須の激動の事業環境

人事における個人目標や現在、過去の評価は一度仕組みを構築すればデータ化はそれほど難しくない。だが、上長と部下の個人面談1on1は、記録を残しても上長の変更で途切れたり、評価自体に一貫性がなかったりする。そこで、HARMOS評価では、アジェンダ管理やコメント機能で、面談後にもしっかりフィードバックする機能をもたせ、面談内容をその場限りの言いっ放しで終わらせず、コメントのやり取り等でしっかり前進させる仕様としている。

目標ページ

こうしたやり取りからは、目標達成へ向けての進捗はもちろん、社員の悩みやモチベーション等も透けてみえ、リテンションにも役立つ情報が拾える。さらに、1on1による社員の活躍や停滞などを、データを交え分析することで、活躍社員や離職予兆社員の特徴をデータ解析ではじき出すことも可能になる。それらをHARMOS採用管理やHARMOS Coreと連動させることで、いよいよ人事領域のデジタル化はそのゴールへ近づき、企業と従業員の関係の最適化へと大きく前進することになる。

人事や採用は、人が絡むから人中心でやるべき。それは間違っていないだろう。だが、激変する事業環境にあって、人がじっくり時間をかけて人材を見極めることがリスクになる現実もある。だからこそ、テクノロジーと人のハイブリッドによる人事系業務の最適化は今後、企業が生き残るために必須の選択となる。人事領域のデジタル化促進サービスは群雄割拠だが、同社のサービスがデータを蓄積しながらAIも絡め、今後どう進化を遂げていくのかは、その有用性を見極める上でも注目される。

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