働き方

新入社員5000人超の意識調査に透ける“会社融解”の現実味

投稿日:2019年4月25日 / by

「自分>会社」の構図が示す会社と社員の空疎な関係

会社は不可欠。そうした考えはもはや過去の話なのかもしれない…。終身雇用制の崩壊が叫ばれて久しいが、いよいよ働く側の“企業離れ”が顕在化しつつあるようだ。ラーニングエージェンシーが5,673人の新入社員に行った意識調査から透けてみえるのは、明確な「自分>会社」の構図。そこには、忠誠心への忖度はない。

会社の未来

忠誠心を示す分かりやすい指標となる「今の会社で働き続けたいか」。その質問に対し、「できれば」は50.4%。いよいよ半数割れに王手がかかった。減少は4年連続だ。一方で「その内転職したい」は1.7%増の18.4%、「独立したい」もポイントが1.3アップして4.2%となった。社員の気持ちはどんどん外へ向かっているといえそうだ。

新入社員意識調査

ラーニングエージェンシー調べ

モチベーションを推し量る要素となる「仕事を通じて成し遂げたいこと」の一位は「自己成長」。これまで不動のトップだった「安定した生活を送りたい」を抜き去る結果となった。今後のキャリアについても、マネジメントではなくプロフェッショナルとしての道を進むことが上回り、新入社員の頭にはもはや「会社への忠誠心」というワードはない印象だ。

社員意識調査

ラーニングエージェンシー調べ

単にビジネスパーソンとしての価値観が変わったというより、会社が忠誠に対し、報いてくれない、報えないことにいよいよ気づき始め、自らの方向性を見定めた結果とみるのが妥当といえるだろう。それを裏付ける結果として、「定時に帰りたい」が5年連続、「休日出勤すべきでない」は4年連続で増加している。

決定的といえる結果は、「今後していきたい仕事」についての回答に表れている。断トツの1位は「楽しくてやりがいのある仕事」(67%)、次いで「自身の成長につながる仕事」(49.8%)。この2つを求めて会社を選ぶ時点ですでに、その目は自分に向けられている。同時にそうでなければ、別を探すというニュアンスがにじみ出ている。見方を変えれば、会社でなく、仕事で就職先を選んでいるともいえるかもしれない。

新入社員意識調査

ラーニングエージェンシー調べ

もはや変わらなければ拓けない会社の未来

終身雇用制が崩壊したいま、会社員を選択する求職者にとって、企業は生涯の安定を保証してくる場ではない。そうなれば、いかに自分が自分らしくいられるか、自分にとってプラスがあるかが優先されるのは必然だろう。ましてや人手は不足している。昨今は優秀人材ほど、早期に退職する傾向が強まっているともいわれるが、それを暗示するような結果ともいえる。

産業構造が大きく変わり、過去の成功法則はもはや通用しない。この転換点でつまづけば、企業は絶命しかねない。雇う側、雇われる側の関係が自ずとフラットに推移する中で、企業はこれまで以上に自社のビジョンやサービスで求職者を引き付けられなければ、あっという間に市場に埋もれてしまう。企業にとって厳しいといえる調査結果が示すのは、いよいよ避けられない、事業体としての抜本的な変革なのかもしれない…。

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