働き方

企業規模拡大に潜む不都合な真実

投稿日:2019年6月3日 / by

<変人・安田の境目コラム>

規模の拡大と反比例する会社の魅力

企業規模の拡大。それは社員数の増加を意味しています。どんどん社員が増えていき、どんどん会社が大きくなる。どんどん効率が良くなって、どんどん利益が増えていく。いわゆるスケールメリットというヤツですね。でも、だんだんその法則が変わりつつあります。

まず採用コスト。規模が大きくなれば採用力も上がる。定着力も上がる。という法則が変化しました。

次にひとり当たりの収益。人数が増えればひとり当たりの育成コストは下がる。ひとり当たりの収益が拡大する。という法則も変化しました。

人数が増え会社が大きくなり、組織としての収益が拡大する。すると現場が疲弊し始めます。モチベーションが下がり、辞める人が増えていきます。

効率化することによって、仕事の魅力がなくなっていくから。拡大することで、現場のコミュニケーションも希薄化していくから。

結果、採用コストは増え続け、育った頃には辞めてしまう。組織を拡大すればするほどひとり当たりの収益が下落する。これが現状なのです。

会社の劣化を防ぐ拡大策はあるのか

ではどうすればいいのか。雇わないことによる拡大。矛盾するようですが、私はこれしかないと思います。

優秀な社員をどんどんフリー化し、どしどし仕事を発注していく。オフィスを自由に使わせ、スキルアップをサポートし、快適と増収を両立させる。

雇わず、囲い込まず、管理せず、快適で、稼げる、自由な職場。そういう場所には優秀な人が集まってきます。固定給を払う必要もありません。だから稼げない人は自然に去っていく。一人当たりの収益がどんどんアップする。

これぞ雇わないことによるレバレッジ。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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