働き方

“働き方改革”を保証する人事支援サービスが登場

投稿日:2019年6月13日 / by

働き方改革がパッとしない原因

働き方改革は関連法が施行され、一定の水準に到達した感がある。とはいえ、残業が減ったという声は大きくても、改革によって働き方の質ややりがいの向上につながっているという事例はまだまだ少数派だ。

なぜ、働き方改革は現場の意識改革とうまく連動しないのか。その理由は明白だ。施策が対症療法に留まり、根治療法になっていないからだ。言い換えれば、制度という薬を投与するだけで、患者たる社員の病状を十分に把握していない。治療のための薬も病状にあっていなければ、効果などあるワケがない。

そうした文脈からも注目されているのが、「従業員エンゲージメント」という言葉だ。会社と従業員の相互理解・相思相愛度合いを表すもので、雇うもの/雇われるものという旧来の会社と従業員の関係性に代わる新しい関係を示す。重要なのは、業績との相関が認められている点だ。

業績と相関する従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントを高めれば、業績がアップする――。感覚でなく数値としての明確なエビデンスがあることで、働き方改革の施策としても俄然、注目度が上がっている。問題は、エンゲージメントをどうスコア化するかだ。この点についてはリンクアンドモチベーションが独自サーベイを開発。約4,690社108万人の実績があり、一定のポジションを確立している。

例えば、エンゲージメントスコアが70以上なら組織状態は「囁けば伝わる」、60~69なら「打てば響く」、50~59は「話せばわかる」といった具合だ。その精度はともかく、組織状態をそこまで可視化できていれば、例えばプロジェクトの進捗も見極めやすい。そうなれば状況に応じ、的確な施策を打て、ゴールの見えない停滞も回避しやすくなる。

このサーベイを自社サービスに取り込み、その成果を保証すると打ち出したのが、あしたのチームだ。同社は、これまでの10年間で20万シートもの人事評価を蓄積しており、人事評価制度の運用が社員エンゲージメントを向上させることに確信があるという。そこで、運用条件を満たした導入企業が導入後1年間エンゲージメントスコアがアップしなければ、運用支援半年分(約180万円)を無償にする。

共同で新プランを発表したリンクアンドモチベーション社長・坂下茂樹氏(左)とあしたのチーム代表取締役の高橋氏

「本当は全額返金も検討したが、さすがにそれでは企業としてどうか、となった」と明かした高橋恭介会長。それだけ、サービス内容に自信があるということだ。

働き方改革がいま一つ盛り上がらないのはなによりも企業側にとって、業績との相関が実感できないからだろう。そこが明確になっている従業員エンゲージメントの向上が、今後、企業が取り組む課題として急上昇することは確実だ。もっとも、それが“標準”になった時、企業としての魅力がなければ、その末路が厳しいものになることはいうまでもないだろう。

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