働き方

会社員の給料が増えない理由をお話します

投稿日:2019年11月11日 / by

<変人・安田の境目コラム>

「真の能力主義」は実現できない

ウチの会社は能力主義だ。やったらやった分だけ払う。という経営者は多いです。でも実際には払われません。それはなぜなのか。社長がケチだから。いえ、そうではありません。払いたくても払えない。それが現実なのです。
給料が増えない理由なぜ払えないのか。それはバランスが崩れるからです。収支のバランスが崩れると、経営は成り立たないのです。やったらやった分だけ払う。それはセットでなくてはなりません。やらなかったら、やらなかった分だけ減らす。という約束とのセット。

でも日本ではそれは不可能なのです。なぜなら最低賃金が決まっているから。成果ではなく働いた時間に対して、報酬を支払う義務があるから。こんなに頑張ってるのに。こんなに長時間働いてるのに。こんなに我慢してるのに。社員はきっとそう思ってるでしょう。

理由は、「赤字社員」がけっこう居るという事実

でも赤字なんですよね。頑張ってるけど赤字。長時間働くほど赤字。それが現実なのです。もちろん全員ではありません。赤字社員もいるというお話。それは社員が想像するよりも、ずっと多いというお話。

そりゃあ1割ぐらいはいるだろう。というのが社員の感覚。でも大間違い。もしも9割の社員が黒字なら、日本企業はもっと儲かっています。会社が赤字である。頑張ってもほとんど利益が出ない。ということは、それだけ赤字社員が多いということ。まずそれを認めなくちゃいけません。

やったらやった分払って欲しい。もしそう思うのなら、バランスを取る必要があります。即ちやらなければ報酬はいらない。というバランス。そんなリスクを背負うなら、会社員でいる意味がない。そりゃあ、そう思いますよね。だからリスクを分散してるんです。だからそんなには払えないんです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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