働き方

自分は何屋なのか、何屋になるのか、考える

投稿日:2019年12月16日 / by

<変人・安田の境目コラム>

会社で働くにも、独立で働くにも、そこは大事

新たな仕事の定義を見つけ出すこと。何屋さんと名乗るのかを考えること。
それが私、安田の仕事です。言うなれば、何屋さんか見つける屋さん。
自分は何屋なのかではどうやって、新しい仕事を見つけていくのか。最初のステップは、頭の中を空っぽにすること。前情報も、先入観も、常識も、一旦全部リセットします。無知な子供になったつもりで、インタビューをスタートします。

お仕事は何ですか? 不動産の賃貸業です。
不動産って何ですか?
賃貸業って何ですか?

バカにしてんのか!って、怒られてしまいそうですけど。でもとても大事な作業なんです。そもそもを考えること。常識の壁を超えていくこと。人の知識は時間とともに増えていきます。生きている限りこの流れには逆らえません。

業界の知識も、経営の知識も、同じ。増えていく一方なのです。問題なのは「知ってしまったことを、なかったことにはできない」こと。これが学習のジレンマです。

常識を超えるために無知になる。そして…

小さな子供は何も知りません。だから炎を触ろうとするし、いきなり道路にも飛び出してしまいます。でも大人はそんなことをしない。熱くて火傷することや、車にぶつかって大怪我することを、知っているから。

この業界でそれは不可能だ。この地域でそれは無理がある。それは知識が導き出した答え。そこに思考の壁が立ちはだかるのです。常識を超えられるのは無知だけです。だから無知な子供になって職業の枠を壊すのです。ただし壊すだけでは意味がありません。それは単に何屋さんでもない状態だから。もう一度そこに枠をはめる必要があるのです。

非常識の領域に膨らんだアイデアを、新たな常識によってもう一度引き戻す。するとそこに新たな職業が生まれます。では、どんな常識によって引き戻すのか。ここが最大の見せ場となるわけです。

私は非常識な人間ではありません。単にさまざまな常識を取り揃えているだけ。それが私の商品だから。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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