
大企業や中小企業が「リストラ」をする時
<変人・安田の境目コラム>
リストラをする経営者の側の理由
大企業はいま、どんどん人をリストラしています。とくに45歳以上の中間管理職を。そして仕事のできない若手を。ここを早く切ってしまいたい。理由は簡単です。競争力がどんどん低下するから。使えない社員に報酬を払い続けると、当然のことながら競争力は落ちます。
もうひとつ深刻なのは、優秀な若手を採用できないこと。上の人間の給料を払うためには、若手の報酬を抑えざるを得ないから。一旦採用されれば人生は安泰。これは社員の側から見れば、とても良いこと。でも会社の側から見れば、致命的な荷物を背負わされているということ。
まず解雇ができない。給料は増やし続けなくてはならない。休みもどんどん増やされていく。定年は勝手に切り上げられる。もともと55歳だった定年が60歳になり、65歳になり、いずれは70歳になるでしょう。いや75歳まで伸びるかもしれません。社会保険もどんどん高くなり、その半分はなぜか会社負担です。この荷物を背負いながら、競争に勝っていくことは不可能です。なんとか荷物を降ろしたい。それが大手のリストラ理由です。
「人を雇うこと」自体の是非が問われる
このままでは絶対に保たない。人材は資産から負債に変わる。大企業はそう判断しています。
では中小企業はどうでしょう。とにかく人が採れない。人がいないと仕事が回らない。だからついつい採用してしまう。しかもかなり妥協した採用。それは後先を考えない採用です。
人を雇わず業績を伸ばす方法。本気でこれを考えないといけません。でないと大変なことになります。そう遠くない未来に。ウチはすぐ辞めるから。辞めるときに揉めたこともないし。もしそう思っているなら、それは大変危険なことです。
最低賃金はどんどん上がっていきます。休みが増え、残業もさせられない。それでも本当に利益が出続けるのか。ちゃんと考えましょう。その採用は本当に必要なのか。うちの社員は本当に資産なのか。
