働き方

大企業や中小企業が「リストラ」をする時

投稿日:2020年2月17日 / by

<変人・安田の境目コラム>

リストラをする経営者の側の理由

大企業はいま、どんどん人をリストラしています。とくに45歳以上の中間管理職を。そして仕事のできない若手を。ここを早く切ってしまいたい。理由は簡単です。競争力がどんどん低下するから。使えない社員に報酬を払い続けると、当然のことながら競争力は落ちます。
会社がリストラをする理由もうひとつ深刻なのは、優秀な若手を採用できないこと。上の人間の給料を払うためには、若手の報酬を抑えざるを得ないから。一旦採用されれば人生は安泰。これは社員の側から見れば、とても良いこと。でも会社の側から見れば、致命的な荷物を背負わされているということ。

まず解雇ができない。給料は増やし続けなくてはならない。休みもどんどん増やされていく。定年は勝手に切り上げられる。もともと55歳だった定年が60歳になり、65歳になり、いずれは70歳になるでしょう。いや75歳まで伸びるかもしれません。社会保険もどんどん高くなり、その半分はなぜか会社負担です。この荷物を背負いながら、競争に勝っていくことは不可能です。なんとか荷物を降ろしたい。それが大手のリストラ理由です。

「人を雇うこと」自体の是非が問われる

このままでは絶対に保たない。人材は資産から負債に変わる。大企業はそう判断しています。

では中小企業はどうでしょう。とにかく人が採れない。人がいないと仕事が回らない。だからついつい採用してしまう。しかもかなり妥協した採用。それは後先を考えない採用です。

人を雇わず業績を伸ばす方法。本気でこれを考えないといけません。でないと大変なことになります。そう遠くない未来に。ウチはすぐ辞めるから。辞めるときに揉めたこともないし。もしそう思っているなら、それは大変危険なことです。

最低賃金はどんどん上がっていきます。休みが増え、残業もさせられない。それでも本当に利益が出続けるのか。ちゃんと考えましょう。その採用は本当に必要なのか。うちの社員は本当に資産なのか。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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