働き方

会社を強くする方法論が会社を弱くする時代

投稿日:2020年3月30日 / by

<変人・安田の境目コラム>

「マニュアル化」「組織化」は間違ってはいなかった。が…

過去に正しかったことが、ずっと正しいわけではない。みんな頭では分かってるんです。でも体が反応しない。まさに今がそういう時です。
会社を大きくする。スケールメリットを出す。そのために仕組み化する。ボトルネックをなくす。組織としての力を高める。どう考えても理にかなっているし、誰が考えてもこの結論になる。その通りです。かつての私もまったく同じ。この結論に行き着きました。
仕組み化が会社をダメにする時代会社としてのブランド力を高め、たくさんの見込み客を集め、ツールと事例で武装した営業を育て、どんどん売上をアップしていく。納品形態も個人に依存せず、誰がやっても成果が出せるように、マニュアル化したサービスによって、顧客の採用を成功に導く。

今から振り返っても、決して間違っていたとは思いません。間違っていたのではない。ただ終わっただけ。そう、ひとつの常識が終焉を迎えただけなのです。

会社を育てる「そのやり方」はもう終了しました

会社としてのブランドよりも、個人のブランドが立つ時代。会社としての集客よりも、個人のつながりの方が強い時代。今はまさにそういう時代です。

組織としての力を、高めようとすればするほど、競争に巻き込まれていく。差別化が難しくなり、収益率が悪化していく。
個人のブランドを、強化すればするほど集客が楽になり、競争力も増していく。個性を生かせば自然と差別化され、収益率は高まっていく。

大きくすること。組織化すること。マニュアル化すること。標準化すること。それが逆に作用する時代。頭では分かっているが、そう簡単には変えられない。おっしゃる通りです。

「じっさい今日も、空は動いているじゃないか」
「はい。それでも地球は回っているのです」。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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