
「イヤな転機」が無いと人生は進まない
<変人・安田の境目コラム>
人には「イヤな転機」も「うれしい転機」も来る
人はその人生において、強制的に時間を止められることが何度かあります。私にもありました。全身に大やけどしたとき。離婚したとき。会社が潰れたとき。この3つは大きかったです。ある日、ある時を境にして、昨日と同じ日常を繰り返すことが出来なくなる。それがいわゆる人生の転機。
もちろん、もっと前向きな転機もあります。この世に生を受けた瞬間とか。アメリカに留学した時とか。会社をつくって社長になった日とか。
どちらも人生の転機です。出来ればポジティブなほうがありがたい。でもやっぱり必要なんですよね。ネガティブな転機というものが。でないと人は変われないから。
それこそが、人が劇的に変われる貴重なチャンス
自分の意思で立ち止まってみる。自分の意思で何かを変えてみる。それはもちろん大事なことです。でもそれだけじゃ足りない。それが人生の難しいところ。
うまくいってること。とくに不満がないこと。心地よく快適なこと。皆さんはそれを変えたいと思いますか。私は思いませんね。いや、誰だって思わないはず。
何かを変えたい。そう心から願うのは、うまくいってない時です。それでも立ち止まるのは難しい。ましてやうまくいってる時に、立ち止まる必要などありましょうか。そんなときに何かを変える必要など、ないではありませんか。
私だってそうです。会社が潰れてよかったなんて、これっぽっちも思っていません。そりゃあ潰れて欲しくなかった。でも潰れてしまった。会社が潰れて人生が止まって、私の人生は劇的に変わりました。100%良くなったとは言いません。でも必要なことであったと思います。私にはこの変化が必要だった。
でも、たとえ時間を巻き戻しても、
自分で会社を潰そうとは思わないですよ。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。
