
テレビCMとネット動画の決定的な違い
<変人・安田の境目コラム>
テレビCMでは美人やイケメンばかりが出るが…
テレビを代表とする既存の広告は、ざっくり言えばイメージ戦略です。タレントがもつイメージや知名度。それを利用する広告戦略。故にタレントの生命線はイメージです。
スキャンダルは彼らの命取りになります。清楚をウリにしているタレントの不倫とか。優しさをウリにしているタレントの暴力とか。笑いをウリにしているタレントの脱税とか。それは商品価値の失墜を意味するのです。
清楚な女優が宣伝するから、その化粧品には清楚なイメージが付加される。家庭円満のタレントが宣伝するから、その洗剤には幸せな家庭のイメージが付加される。
消費者はイメージを買っているのであり、企業はイメージに乗せた商品を売っている。だからタレントは必死になって自分のイメージを守り、そのイメージに企業は高い使用料を払うのです。大企業や大手広告代理店は、この戦略によって大きな成功を収めてきました。ゆえにこの戦略を信用しきっています。何よりもイメージが大事なのだと。でもそれはネット世界では通用しないのです。
ネットで重要なのはイメージでなく「信頼」
ネットでもテレビでも、大事なのは視聴率です。たくさん見られている番組。その広告効果は高い。だから企業は視聴率の高い番組に、広告を出します。
決して間違いではありません。でも正解でもありません。なぜならネットでは、広告は完全にスルーされてしまうからです。再生数の多い動画に広告を挟む。イメージのいいタレントを使って、イメージのいい広告を流す。いわばテレビと同じ手法。ここを考え直す必要があります。
テレビの視聴者は、タレントのイメージを買っています。でもネットの視聴者は、イメージではなく信頼で動きます。この人の発信は信頼できるのか。そこが最も重要なポイントなのです。
テレビタレントは美味しいと言う。ネットのインフルエンサーは不味いと言う。
テレビタレントは楽しいと言う。ネットのインフルエンサーはつまらないと言う。
ユーザーがどちらを信用するかは明白です。だからこそ味に自信のある寿司店は、タレントを使ったイメージ広告ではなく、本気の仕込み動画を流しているのです。
