働き方

テレビCMとネット動画の決定的な違い

投稿日:2020年5月11日 / by

<変人・安田の境目コラム>

テレビCMでは美人やイケメンばかりが出るが…

テレビを代表とする既存の広告は、ざっくり言えばイメージ戦略です。タレントがもつイメージや知名度。それを利用する広告戦略。故にタレントの生命線はイメージです。
テレビCMとネット動画の違い
スキャンダルは彼らの命取りになります。清楚をウリにしているタレントの不倫とか。優しさをウリにしているタレントの暴力とか。笑いをウリにしているタレントの脱税とか。それは商品価値の失墜を意味するのです。
清楚な女優が宣伝するから、その化粧品には清楚なイメージが付加される。家庭円満のタレントが宣伝するから、その洗剤には幸せな家庭のイメージが付加される。

消費者はイメージを買っているのであり、企業はイメージに乗せた商品を売っている。だからタレントは必死になって自分のイメージを守り、そのイメージに企業は高い使用料を払うのです。大企業や大手広告代理店は、この戦略によって大きな成功を収めてきました。ゆえにこの戦略を信用しきっています。何よりもイメージが大事なのだと。でもそれはネット世界では通用しないのです。

ネットで重要なのはイメージでなく「信頼」

ネットでもテレビでも、大事なのは視聴率です。たくさん見られている番組。その広告効果は高い。だから企業は視聴率の高い番組に、広告を出します。

決して間違いではありません。でも正解でもありません。なぜならネットでは、広告は完全にスルーされてしまうからです。再生数の多い動画に広告を挟む。イメージのいいタレントを使って、イメージのいい広告を流す。いわばテレビと同じ手法。ここを考え直す必要があります。

テレビの視聴者は、タレントのイメージを買っています。でもネットの視聴者は、イメージではなく信頼で動きます。この人の発信は信頼できるのか。そこが最も重要なポイントなのです。

テレビタレントは美味しいと言う。ネットのインフルエンサーは不味いと言う。
テレビタレントは楽しいと言う。ネットのインフルエンサーはつまらないと言う。

ユーザーがどちらを信用するかは明白です。だからこそ味に自信のある寿司店は、タレントを使ったイメージ広告ではなく、本気の仕込み動画を流しているのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について